「倒れても本望」小池氏、記者会見で都民ファに「がんばれ」

都知事会見で「特定政党推し」の異例

東京都の小池知事は2日夕、退院後初の公の場となる定例記者会見を行った。小池氏は前日、新型コロナウイルスのモニタリング会議に自宅からリモートで参加して公務に復帰。毎週金曜午後2時からの定例会見は当初予定されていなかったというが、小池氏の強い意向で時間を午後4時からにずらし、都庁でリアル会見を“強行開催”となった。

東京都YouTubeチャンネルより

小池氏は「東京都において今ほど重要な時期はない。その期間において体調不良、ということで多くの方々にご心配、ご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げたい」と、静養で公務を離れたことを陳謝した上で「どこかでバタッと倒れるかもしれませんが、それも本望と考えている」などと述べ、コロナ対応やオリンピック・パラリンピックの準備など難題だらけの都政に取り組む覚悟を示した。

一方、質疑応答で都議選の受け止めについて幹事社の朝日新聞記者から尋ねられると、小池氏は防災やオリパラなどの課題について触れた後、「ご承知のように都民ファーストの会は、私が特別顧問を務めるわけなので、当然のことながらがんばってもらいたい」と唐突に切り出し、「率直に当然のこととして、思っている」と強調。

さらに「選挙戦には直接加わっておりませんが、街頭演説とかコロナの中で非常にやりにくい選挙でございます。ただ私はいま申し上げましたように、東京大改革を担ってきてくれた都民ファーストの皆さん、(自身が候補者などと映っている)ポスターやチラシも出ていますし」と開き直るように関係性を誇示し「都として大胆に進めていくためにも多くの皆様にがんばっていただきたい」とエールを送った。都民ファは、小池氏が特別顧問をつとめる地域政党とはいえ、知事公務としての記者会見で、政治家個人として特定の陣営を明確に支持する発言に踏み込むのは異例だ

2017年秋の衆院選の前に、小池氏が希望の党の旗揚げ記者会見を都庁で行った際には、記者クラブの会見場から知事会見用のインタビューボードは撤去するなど、公務による会見とは区別する配慮があった。都議選の終盤に一線を越えた点について、小池氏の発信は議論を呼ぶ可能性はあるが、投票日まで2日を切った中での「強行」とあって注目度は高く、発言の露出が増える一方で、十分に検証されない可能性がある。

 

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