親子合わせて10万円超?お受験ファッションにかかるお金
節約するか、奮発するか?- 小学校のお受験費用は受験グッズも。経験者のFPが留意点を解説
- お受験ファッションは1〜5万円超。親子合わせて10万円超も!
- 受験グッズ準備は節約も。ネットショップ、中古、レンタルなど
小学校のお受験費用といえば、幼児教室や模擬試験にかかるお金がメインですが、それだけではありません。受験本番に向けて揃えておくべきものがさまざまあります。それが、お受験グッズや願書用の写真です。日頃使っているものを使えばいいと思っていても、周りの雰囲気をみるとそうはいかず、新たに買いそろえざるをえないことも。実際に子どもの小学校受験を経験したFPが、お受験ファッションの費用について語ります。
欠かせない「お受験グッズ」
わが子をお受験させようと決めたとき、おそらく誰もが驚くのが、その世界が「紺一色」なことではないでしょうか。幼児教室でも模擬試験会場でも、当然ながら試験本番でも、子どもたちと親御さんのほとんどが、全身紺色です。
それは制服ではありません。入学する前にもかかわらず、各地の幼稚園や保育園からやってくる子どもたちと大人が皆、同じ色をまとっているのはとても不思議な光景です。しかし、お受験でそれは常識。お受験をするにあたって、紺色の服は必要不可欠といっても過言ではありません。
紺色なのは服装だけでなく、バッグやふでばこ、ティッシュケース、最近ではマスクケースにまでいたります。日頃からネイビー系のものを使っていればそのまま使うこともできますが、“お受験仕様”かどうかというと微妙に違うこともあります。細かいことを気にしすぎかとは思いながらも、受験期には何かと小さなことまで心配になったり、少しでも不安要素を取り除いておきたいと思うものです。そうしていわゆる「お受験グッズ」を揃え始めると、思いのほかお金がかかります。
お受験ファッションは1〜5万円超。
親子合わせて10万円超も!
お受験グッズはどれくらいのお金がかかるのでしょうか。代表的なのが洋服です。特に子どもの洋服は、それまでフォーマルな場に参加したことがないとゼロから買いそろえることにもなります。
男の子は襟付のシャツにズボンのスタイルが定番です。涼しい時期や面接のときには上にベストやジャケットも着ることがあります。シャツや靴下は白、ズボンはグレーや黒を選ぶ人もいます。メーカー・ブランド・素材により幅がありますが、シャツは3千円~5千円程度、ズボンは5千円~8千円程度、ジャケットは1万円前後が目安です。お受験専門ショップには、必要なものをセット販売しているところもあります。セットで1万円程度のものもありますが、ハイブランドだと5万円を超えることもあります。
女の子はワンピースや、襟付のシャツにスカートかキュロットスカート、ベストのスタイルが定番です。運動の考査がある試験日には動きやすい服装が望ましいですが、面接の日にはフォーマルなワンピースを選ぶなど、ファッションに変化をつけることがあります。シャツは3千円~5千円程度、キュロットスカートやベストは5千円~8千円程度、ワンピースやジャケットは1万円台が標準的です。セットで1万円台でそろうお店もありますが、ワンピース・ジャンパースカートとジャケットのようなスーツスタイルになると、ハイブランドでは5万円台になることもあります。
親のファッションも重要です。試験会場では父母ともにスーツが基本です。父親はグレーや黒のスーツなど、日頃仕事で着ているものでも違和感なさそうですが、母親のスーツは新調した方がよいかもしれません。お受験ではビジネス用とは違って丸襟やノーカラーのジャケットで、ワンピースとセットで着ている人が多いので、仕事用で使っているものでは使い回せないことがあるのです(学校により違いがあります)。
新たに買う場合、子どものものに比べると大人のファッションはお受験ショップでなくてもわりと見つけやすいですが、紺色のスーツはそれほど多くありません。都心のデパートでは毎年お受験ファッションコーナーが特設されて、各ブランドからお受験に対応できる商品が集まります。中心価格帯は5万円前後で、10万円超も珍しくありません。
親子でお受験スタイルを揃えようとすると、標準的なものでも合わせて7~10万円にはなってしまいます。

お受験ファッション、節約方法
渦中にいると、合格のためならお金のことは気にしていられないと思うのが受験生を抱える親の性かもしれません。とはいえ決して安くはない金額です。うまく節約できるなら、それに越したことはありません。
ひとつの方法が、ネットショップです。特定のお店に行くよりも幅広く比較できるので、探せば安価なものも見つかります。ただ、失敗のリスクもあります。小学校のお受験をする子どもたちや親御さんが着ているのは広い意味でのネイビーではなく、「濃紺」です。遠くから見れば黒と見分けが付かないような色をネット上で探すのは大変です。日常に着る洋服なら想定外な色味でも許容できるかもしれませんが、受験会場では見事なまでに皆が濃紺なので、少しでもトーンの違うファッションをしているととても目立ちます。私もネットで紺のスーツを買ったのですが、実物が画面上の写真で見るよりもカジュアルで使えずじまいになってしまったことが何度かありました。
他の人と違う色の服を着ていることが合否に直結するわけではないはずですし、個性を発揮するという手もあります。あり合わせの洋服で試験に臨む人もいます。しかし小学校の試験会場には、自分やわが子だけが浮いていると思うと気後れしてしまいそうな、同調圧力ともいうべき独特な空気感があるのは確かです。ネットで買うならお受験専門店など、「ハズレ」を引きにくいところで買うのが安全だと思います。
もうひとつの方法が、中古やレンタルです。ブランド物の子供服を扱っているリサイクルショップには、お受験対応のワンピースやスーツを扱っているところがあります。小学校受験が盛んな地域では品揃えが多く、特に受験シーズンが終わる年末には、受験を終えた親子が売りに来るため豊富です。ハイブランドのスーツでも、類似のものを新品で買う場合の半額以下で手に入ることがあります。受験期にごく数回しか着ていないだろうと思わせる、かなりきれいなものが見つかることもあります。
レンタルは、冠婚葬祭などのフォーマルウェアを扱っているお店にあります。デパートで扱っている品質のワンピースやスーツを、1万円程度で4~5日間借りられます。店頭だけでなく、ネットで注文して自宅で受け取れるサービスもあります。ただ、レンタルだと借りられる期間に限りがあります。本番当日だけでなく、その1カ月ほど前の出願時や数日後の合格発表時にも着ることを考えて、レンタル期間を決める必要があります。また、願書用の写真撮影で着るなら、夏休みには調達しておかねばなりません。
一方で、受験用のファッションは節約しないのもひとつの考えです。子ども・自分に合ったものをしっかり選んで本番に臨みたい、勝負ごとにはお金をかけるのが験担ぎというのも、合格を願う親の本音でしょう。FPという立場上、お金は計画的・合理的に使うようアドバイスするのがセオリーではありますが、セオリー通りにいかないのが受験です。受験期はお金がかかっても、とにかくできることをやりきって、入学してから節約すればいいというのもありだと思います。入学後のお金のこともきちんと計画しつつ、多少であれば予定以上の出費はやむを得ないと腹をくくるのも、受験生の親には必要な覚悟かもしれません。
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