都議選開票:小池マジック再び炸裂!自公まさかの過半数割れ
最終日の電撃応援マラソン、戦績は11戦全勝!- 都議選開票へ。都民ファが苦戦予想から一転、自公過半数を渡さず
- 小池氏が終盤戦「静養」から復帰して応援。都内11か所をめぐった戦績は?
- 応援先は因縁の公明党が苦戦の激戦区も。都議会のドンのお膝元は?
(編集部より)本記事は初版は7月4日20時時点の情報をもとに書かれましたが、5日午前1時、一部更新しました。
東京都議会議員選挙(定数127)は4日、投開票が行われた。選挙前、当初大苦戦が予想されていた小池知事派の都民ファーストの会だったが、報道各社がこの日行った出口調査では、現有勢力の46からは後退したものの、30議席以上を確保。NHKの午後11時55分時点の速報では、自民党と第1党と争う展開になっている。自民党(現有勢力25)は前回の惨敗から捲土重来を期したが、都民ファとの提携を解消した公明党(同23)とともに、激戦区で当確ラインだった候補者が続々と落とし、過半数(64)に届かなかった。この衝撃は国政にも波及し、菅首相の政権運営にも影響するのは必至だ。
選挙直前に過労を理由に静養入院していた小池氏が終盤に公務復帰。最終日には激戦区を中心に姿をみせて候補者を激励するなどして健在ぶりをアピール。選挙戦中盤から同情票もあってから都ファ支持回帰の流れをうまく引き寄せ、第1党を堅持が見えるところまで押し戻すサプライズを実現した。
最終日、小池氏の電撃マラソン
まさに瀬戸際からの逆転劇だった。自民党が6月に実施した情勢調査でも都民ファは改選前46議席に対し、8議席にまで落ち込んでいた。追い討ちするような小池知事の入院に一時は敗色濃厚に。ところが、小池氏への同情票が集まったのか、選挙戦に入ってから支持率が“底打ち”し、終盤にかけて一定の回復トレンドに入ってから雲行きがあきらかに変わった。
選挙戦中盤にかけ、報道機関の情勢調査で都民ファの議席予測が2桁を回復しはじめ、小池氏が勝負どころとみて電撃的にカムバック。投票日2日前に強行した定例記者会見で、「都民ファースト会にはがんばってもらいたい」と踏み込んで発言した。さらに選挙戦最終日となる翌3日には、当初は応援に入らないとみられていたのが、一転して現場へ。小池氏のサプライズ応援を受け、各陣営はSNSで候補者と小池氏とのツーショットを発信するなど終盤のダメ押しを図った。
編集部で都民ファーストの会候補者らのSNS発信を確認したところ、小池氏は午前10時すぎから午後8時ごろにかけて、都ファ代表の荒木千陽氏が立候補する中野区を皮切りに、豊島区→板橋区→練馬区→西東京市→三鷹市→北多摩3(調布市、狛江市)→港区→千代田区→墨田区→文京区→再び中野と、少なくとも都内11か所(※中野は2回)を走破。静養を忘れさせる電光石火の活動ぶりをみせた。残り1日とあって応援に入った場所は、綿密な情勢分析をもとに激戦区を中心にピックアップしたものと思われる一方で、その中には、政治的にシンボリックな意味のある選挙区もみかける。

政局的に注目の豊島、千代田
2番目に入った豊島区(定数3)は小池氏の衆議院議員時代のお膝元。都民ファは、小池氏とともに自民党を離れた本橋弘隆氏(59)が2期目を狙うのに対し、都議会公明党の重鎮で当選5回の長橋桂一氏(64)や自民党で前回落選した元職、共産党の現職らと熾烈な争いをしてきた。ここで注目されるのは小池氏と公明党との因縁だ。
公明党は高齢化やコロナ禍で得意の地上戦が思うように発揮できず、過去7回の選挙で続けてきた候補者全員当選が危機に陥っていることが指摘されて、この選挙区でも長橋氏の苦戦が伝えられている。実際、前述の政党調査(6月)でも長橋氏は4番手で伸び悩んでいた。公明党は国政以上に都議選を重視しており、小池都政誕生直後は一時、都政での自民党との協力関係を断ち切って与党会派になったほどだ。
小池氏が前回衆院選で希望の党を結成したことを機に、是々非々路線に転じたが、国政復帰と首相の座をもくろむ小池氏にとっては、自民党の二階幹事長とともに公明党は無視できないステークホルダーだ。小池氏が応援に入ったことを受け、仮に都民ファの本橋氏が当選し、公明党重鎮の長橋氏を蹴落としていた場合、公明党のメンツを潰すだけに、都政だけでなく国政の今後の政局を占う意味でも注目されるところだった。長橋氏は結局深夜になり滑り込む形で当選を決めたが、小池氏にとっては綱渡りながら公明のメンツを保った格好だ。ただ、公明にとっては衆院選に向けて大きな課題を残した格好だ。
一方、自民党が「都議会のドン」内田茂・元都議の娘婿、直之氏を公認した千代田区(定数1)。都民ファはここに板橋区からの鞍替えで、平慶翔氏を擁立。共産公認候補と事実上三つ巴のデッドヒートを繰り広げてきた。千代田区では先の1月の区長選の際も自民系候補と都民ファ系候補らが激突。ドン内田氏が都議選での直之氏擁立を見越し、自民系候補を応援せず、逆に水面下で都民ファ系候補を応援し、二階幹事長を通じて小池氏と都議選のバーターを図ったのではないかと憶測すら呼んだ(小池氏、内田氏両サイドも否定)。
区長選は都民ファ系候補が勝利したが、この騒ぎのあと内田氏は自民党の東京都連最高顧問を退任。ドン不在で、保守分裂もささやかれていたなかの選挙戦終盤、小池氏が平氏の最後の一押しとばかりに現地入りした。NHKは当初出口調査の結果で内田氏がわずかにリードしていたが、終わってみれば得票率4%の差で平氏が競り勝った。
永田町では、自民党が4月の国政補選をすべて落としたのに続き、都議選でも苦戦したことで、秋の衆院選に向けて菅首相が「選挙の顔」として戦えるのか疑問が広がるとともに、また小池氏の国政復帰に向けた動きが加速するのではないかとの見方が強まっている。
※【おわび 5日1:00】豊島区の選挙結果、一時、長橋氏の落選が確定的にお伝えしましたが、誤りでした。訂正し、お詫びします。
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