酒提供の飲食店「金融機関からも…」西村大臣発言、総スカン

国民・玉木氏、松田公太氏ら一斉に批判
2021年07月09日 12:00

東京に4度目の緊急事態宣言を出すにあたり、西村康稔経済再生担当相が8日、自粛要請に応じず酒類を提供する飲食店について「法律に基づく要請あるいは命令でありますから、しっかり順守して頂けるよう、金融機関からも働き掛けを行って頂きたい」と述べたことが、大きな批判を招いており、菅政権に新たなダメージになる可能性がある。

西村経済再生担当相(画像は6月、政府インターネットテレビ)

国民民主党の玉木雄一郎代表は9日朝にブログを更新し、「金融機関や卸業者を使って飲食店を脅すような対策は法的根拠のない悪手だ」と題する記事を投稿。緊急事態宣言の根拠となる新型インフルエンザ等特装法の趣旨が、「国民生活及び国民経済に及ぼす影響が最小となること」と記載していることから「特措法の趣旨に反している」と指摘した。

特措法との整合性では、こんな指摘もある。飲食事業のグローバルダイニングが東京都を相手取った訴訟で代理人をつとめている倉持麟太郎弁護士は、ツイッターで、

特措法の「命令」手続に伴う「公表」段階に未だ至っていない「要請」段階での情報提供は、地方公務員法34条1項の守秘義務違反になりうるのでは?

と指摘した。仮に情報提供を合法な手続きにするためには新たなルール整備が必要な可能性も考えられる。

金融機関も別にリスクを抱えることもありそうだ。タリーズコーヒージャパン創業前は大手銀行に勤務していた松田公太氏はツイッターで、

(銀行員でしたが)資金繰りが厳しくて営業している融資先に自粛せよとは言えない。倒産して債権回収に至らなかったら、プロパー融資も国が全額保証してくれるのでしょうか。 そして優越的地位の濫用に抵触する可能性も

と、西村大臣の発言を懐疑的にみていた。

国際政治学者の三浦瑠麗氏もツイッターで

営業の自由をこのような手段でもって侵害するならば、損害を受けた企業にとってもはや政府は信用すべき存在ではない。

身を削って食い繋いできた企業群のおかげで失業率も抑えられ、コロナ禍でも社会の安定が保たれてきたのだ。感謝されこそすれ、脅しあげられる理由はない。酒屋や卸や酒蔵はどうするのか。病床が逼迫さえしていないのに、なんというやり方だ。

などと投稿した。

先の東京都議選で自民党が事前の優勢と伝えられた情勢が一転、小池知事の巧みな動きもあり、公明党と合わせて過半数を制することができず、永田町に衝撃を与えたばかり。今週は秋の衆院選や自民党総裁選を先読みするさまざまなシナリオが取り沙汰されていたが、「泥縄式」(前出、玉木氏)のコロナ対応が続く菅政権と自民党は、オリンピックを開催する代わりに大きなものを失うリスクを孕みつつある。

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