【独自】木下富美子都議、今度は選挙事務所で“違法看板” 疑惑
辞職拒否、それでも“持続可能性”を追求か- 木下富美子都議、今度は選挙事務所の看板に違法性があったと指摘
- 小池氏の顔写真、名前入りの看板も。選挙前から設置要件を満たさず
- 公選法で定めた看板の規格を超過、4枚組なら枚数の違法性
都議選の最中に無免許運転で人身事故を引き起こし、都民ファーストの会を除名された木下富美子都議(板橋区選出)の疑惑続報は止まるところを知らない。今度は、選挙事務所で使用していた看板について、公選法で取り決められた規格を大きく逸脱し「違法性」のある状態だった疑いがあることが10日明らかになった。選挙実務に詳しい複数の政界関係者がSAKISIRU編集部の取材に指摘した。

関係者によると、木下氏は板橋区内の選挙事務所で、自身と小池百合子知事の顔写真、名前が入った看板を掲示していた。木下氏はツイッターでも看板の画像を投稿しており、それによると、選挙前の6月3日までには掲出したようだ。選挙本番前の政治活動期間中に立候補予定者が応援者の政治家などと一緒に並ぶ“2連ポスター”を巨大化したもので、これだけでも異例で目を引くが、まず2連ポスターの法的要件を満たしていない疑いが濃い。
2連ポスターは建前上演説会の告知として使われ、デザインも「3分の1ルール」が存在する。すなわち1枚のデザインの中に「候補予定者」「応援弁士(多くは党首など)」「告知(政党名やキャッチコピー、演説日時など)」が均等のサイズで構成されていなければならない。しかし、この木下氏の“2連看板”はそうした構成になっていないように見えるどころか、画像をよくみると看板やそれに類するものは1枚ではなく、少なくとも4枚組の複数で構成されている。そもそも看板自体が2つ以上に分割されている点でも根本的に要件を欠いている。
そうなると、木下氏も小池氏も単体での看板は違法性が強くなる。小池氏や都民ファがこれほどコンプライアンス感覚がずさんな看板作りを容認していたようにはとても思えないが、これが無断だった場合には小池氏は巻き添えを食う形で公選法違反に問われかねない。
選挙本番中の看板違法疑惑

もうひとつの問題は6月25日から7月2日までの選挙運動期間中の看板のあり方だ。告示前、木下氏の顔写真下部には、「演説会:日時 10月9日14時〜 場所:大山駅西口」との記載があり“2連ポスター”としての掲出になっていたが、告示後の7月2日未明のツイッター投稿の画像をみると、当該部分は「都民ファーストの会 選挙事務所」と記載したものに差し替えており、選挙事務所の看板としての性格を明確にしている。
公選法のルールでは選挙事務所で使用する看板の規格について「縦350㌢、横100㌢以内」と定められている。看板を横にすることは実務上許されているが、木下氏と小池氏の顔写真が入った看板を1枚に見立ててしまうと、サイズはトータルで明らかにオーバーしている。もしかしたら木下選対は1枚ずつ分割して解釈したつもりかもしれないが、選挙事務所を表示するためのポスターや立札、看板の類を合わせて3つ以内という規定もある。それで画像を見てみると、4枚組の看板とそれに類するものを壁に掲出している上、地面に木下氏の顔写真入りの立て看板も出しており、トータルで5枚だ。枚数の点でもルール違反の疑いが限りなく強い。
そもそも木下氏本人だけではなく、小池氏との“2連看板”を選挙事務所用に使ったこと自体、他党の選挙実務に詳しい地方議員は一連の画像を見て「選挙を知らなすぎる」と呆れる。木下氏の公選法違反疑惑をめぐっては、公選法で定められた配布時間帯を過ぎても地元駅前で名前や顔写真入りのビラをスタッフが配布していた疑いがすでに浮上している。また、ただちに違法ではないものの、自らを激励するため書きに故人名義のものを事務所に掲げ、それが遺族に無断だった疑いが強まっている。選挙実務に詳しい別の政治関係者は「午後8時過ぎのビラ配布くらいの違反はしばしばあるが、選挙事務所の看板の違法性のほうが悪質ではないか」と指摘する。
■
木下氏は8日、公式サイトを臨時の1枚ページに暫定改装し、「重ね重ね、私の今回の行動が有権者の皆様の信頼を損ねることになってしまい、深くお詫びを申し上げます」などと謝罪文を掲出したが、辞職の意思は示さなかった。新会派「SDGs東京」としてこのまま議員活動の“持続可能性”を追求し、任期4年で8000万円近くの報酬を得てしまう可能性がある。SAKISIRU編集部では先のビラ配布疑惑の際にメールで取材申し入れをしており、今後本人や事務所から回答してきた場合は追って掲載する。
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