「日本は先進国で豊か」は昔のこと!個人のお金のプランはどうする?

ネットフリックス「値上げ」が示した現実
ファイナンシャルプランナー/キャリアカウンセラー/(株)イー・カンパニー代表
  • OECDの平均賃金で日本は22位。「先進国で豊かな国」は昔のこと
  • 筆者も20年前は海外で買い物をしまくったが、近年は土産がやっと
  • 日本で一生暮らすつもりでも世界一律価格導入も。給料プラス投資を

(編集部より)平成の30年、経済が低迷し、デフレ不況で喘ぎ続けた日本。一見すると世界の経済成長に取り残されていることに気づかないものですが、個人の生活にも忍び寄ります「現実」に私たちはどうすればいいのでしょうか。

alexsl/iStock

ファイナンシャルプランナー/キャリアコンサルタントの八木陽子です。

つい先日、世界一律価格が、日本にも入ってくるというニュースを聞いた方もいるでしょう。

具体的には、ネットフリックスが、日本の顧客にだけ割安な価格設定にするのではなく、世界各国の価格をほぼ横並びにする改定をした話です。そして、それを受けて、日本のある利用者が「ちょっと高いな」と不満に思ったというニュース。

私はこれを聞いて、「あ、ついにきたか」と思いました。日本の貧しさに、日本にいながらようやっと気づく兆しです。日本は、先進国で豊かな国というのは、昔のことだという厳しい事実に向き合うことです。

どういうことかというと、下記の図を見てください。現在、OECDのサイトで公表されている、世界の平均賃金の順位です。

1位は、アメリカ合衆国、2位はアイスランド、3位はルクセンブルグ、そして、日本はというと22位です。それは、OECDの平均(青い部分)も下回る結果になっています。世界各国と比較して、日本の賃金は、ずるずると低くなってきています。

出典:OECDのサイトより

実は、日本は、どんどん「残念な国」になってきていると思っています。コロナ対策一つにおいても、様々な国や政府の対応において、他国と比べて、ふがいない気持ちになった人もいるかもしれません。

海外で日本の「貧しさ」実感

突然ですが、私事にはなりますが、今からさかのぼること、20年以上前の実感からお話しましょう。

私は、大学生や会社員時代、年に5~6回ほど海外に旅行するのが趣味の一つでした。その頃の旅の楽しみの一つが、お買い物。その土地ならではの物も買うし、免税でも買うし、まさしく買いまくる下品なニッポンジンだったかもしれません。今は、物を持たない暮らしを目指しており、大半は処分しましたが……。

ともあれ、当時は、学生バイトや新人のお給料ぐらいで稼いだお金でも、どの国を訪れても、「安い!買っちゃおう!」という感覚になれたのです。

それが、出産し子育てをし、久しぶりの海外旅行、8年ほど前にシンガポールに行ったときのことです。「あれ? もしかして…めちゃ、高い⁉」 家族4人でハンバーガーを食べて約8000円。お昼のハンバーガーですよ!?

その旅行では、お土産だけで、ほとんど何も買わずに帰ってきたことを鮮明に覚えています。

そして、3年前の2018年夏に、アメリカのサンフランシスコに行きましたが、さらに強烈でした。

現地の友人に色々案内してもらったり話を聞いたりしたのですが、物価が高いというより、日本の感覚ではありえない領域でした。たとえばですが、幼稚園のお金が月25万円、大学にかかるお金は年700万円…。いくら日本の教育費が高くなっているといっても、その金額には及びません。

アメリカの中でも、とりわけサンフランシスコは物価高と言われていますが、サンフランシスコでは年収800万円は低所得だと言われました。楽観的な私ですら、すでに日本の将来を危ぶんではいましたが、外国の地で、本当にふがいない気持ちになりました。

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「投資」の重要性が一層

日本で暮らしていると、100円ショップは充実しているし、安い物もたくさんあります。生活はできるため、「世界における日本の立ち位置なんか、カンケーないよ」と思う人もいるかもしれません。特に今、コロナウイルスのため、外国に行くことすら減っています。

でも、日本で一生暮らすならば、世界は関係ないのでしょうか?

冒頭のネットフリックスのように、グローバル化がさらに進んで、世界一律価格が導入される可能性があります。そうなると、日本人は、貧乏なため、我慢するほかないのでしょうか?

私自身は、その解決策の一つが、投資をすることだと思っています。

もちろんお給料そのものを増やす努力も大切です。ただ、お給料は個人の判断や努力ではどうにも増えないことがあっても、資産形成は、どんな人でもできるものです。投資の基本ルールは前回のコラムでもお話しました。

仕事のあり方も、教育もどんどん変化している中、お金の預け先や付き合いかたも、変化させなくてはいけません。大人たちが、昔の感覚を引きずらない行動が求められていると思っています。

 
ファイナンシャルプランナー/キャリアカウンセラー/(株)イー・カンパニー代表

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