政治家の“鍵垢”は許されるか?木下都議、ツイッター非公開4日目!

「情報公開による都政改革」が政策だったのでは?
2021年07月14日 06:00

無免許での人身事故発覚以後、数々の不祥事が明らかになっている木下富美子都議のツイッターアカウントがフォロワー以外に投稿を非公開にする「鍵垢」の状態になっている。政治家のツイッター利用を巡っては、税金から歳費を得て議員活動をする中で発信する公共性がある一方で、アメリカのトランプ前大統領や日本の河野太郎行革担当相による「ブロック」の妥当性が問題視されてきた。木下都議による「鍵垢」の是非についても今後議論を呼びそうだ。

「鍵」マークのついた木下氏のツイッター

木下都議がツイッターの投稿を非公開にしたのは11日昼前とみられ、本稿執筆時点(15日午前0時)もフォロワー以外は投稿を見ることができなくなっている。この日朝、本サイトで選挙事務所の看板の違法性を指摘する記事を掲載した直後のことだった。木下氏が記事を読んだかは不明だが、編集部では、違法の疑いのある看板の存在を指摘する政界関係者の情報に基づいて取材し、「証拠」としてツイッターに投稿された画像を引用。今後の問題が大きくなることを恐れて非公開に踏み切った疑いがある。

他方、木下氏の無免許運転事故発覚後、半年とも伝えられる免停期間中にスクーターを使って板橋区内で政治活動を行なっていた疑いも浮上。ネット民がツイッターの投稿画像を元に指摘が相次いだ矢先、画像が次々と削除され、それをまたツイッター上で揶揄される事態になっていた。

木下氏がツイッターを開設したのは2017年3月。同年夏の都議選に向けて、都民ファーストの会が当時新人の木下氏を板橋区選挙区の候補予定者として発表した時で、選挙向けに利用を始めたとみられる。以後、選挙時以外は日常の政治活動、議会報告などを行い、今年に入ってからは都議選に向けて板橋区内での街頭活動の模様も積極的に投稿していた。これらの「コンテンツ」となっている活動は、議員報酬(年間1372万円)や政務活動費(年間600万円)などに支えられており、もちろん、それらの原資は都民の税金だ。議員として活動内容が適正に行われているか、有権者がツイッターを通じて確認するにも「鍵垢」では難しくなる。

アメリカでは違憲判決も

今回のように政治家のアカウントの「鍵垢」は極めて異例だが、特定のユーザーが投稿を見られないように排除する「ブロック」についてはしばしば物議を醸してきた。河野太郎氏のツイッターは古くからネット民に人気で、今年2月にはフォロワー数が安倍晋三前首相を抜いて全国会議員でトップになり、約233万人を誇る。一方で批判的な投稿をした人に対してはブロックが多用されると批判を呼び、自民党政権に批判的な左派系メディアからは「異論封じの河野大臣」(東京新聞 1月20日)と呼ばれることも。

大統領時代のトランプ氏(Gage Skidmore/flickr)

アメリカでは、トランプ氏が大統領在任中にツイッターを存分に活用。アカウントが閉鎖される今年1月の議会選挙事件前まで絶大な影響力を発揮していたが、アンチのネット民へのブロックも容赦なかった。このため排除されたユーザーが提訴し、連邦地裁、高裁とトランプ氏は違憲判決を下されて連敗した。判決への評価について異論はあるものの、トランプ氏を訴えた原告団の弁護士は当時、メディアの取材に対し、「公務の手段としてSNSを使う場合、相手の立場や意見に基づくブロックは、あらゆる公職者に許されない」との見解を示していた。

日本では、政治家のツイッターブロックが訴訟にまで発展したケースは少なくとも報道ベースでは見当たらないが、プラットフォームの公共性については近年急速に議論が進んでおり、時代の潮流を踏まえた司法判断が出る可能性が出るのか焦点になりそうだ。お騒がせ続きの木下氏は「ブロック」ではなく、「鍵垢」という独自の道を突き進むが、新会派名「SDGs東京」を本分とばかり、どこまで鍵をかけられか持続可能性を追求するのか。今後鍵を開けた場合でもクローズ期間に削除した投稿があれば、なぜ削除したのか、最初の選挙以来「情報公開を要諦とする都政改革」を掲げる都民ファの一員として自らも行政の透明化を訴えていただけに、公人としての説明がいっそう求められそうだ。

 

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