夏休み中に済ませたい、小学校受験願書用の写真撮影にかかる費用
一部では家族写真も!なにかとかかる撮影料- 夏休みは願書用写真の撮影シーズン。お受験対応に慣れたスタジオがお勧め
- 一部の私立受験では家族写真も求められるので費用も含めた想定を
- 併願校用に焼き増し費用も。出願間際の写真不足より「安心料」の考え方
何かとお金がかかるイメージのある、小学校のお受験。幼児教室の月謝や模擬試験代の他にも、細かな費用が出ていきます。年長の夏休みにかかるのが、願書用の証明写真費用です。実際に子どもの小学校受験を経験したファイナンシャルプランナー(FP)の加藤梨里さんが、「お受験」の証明写真のお金についてまとめました。
願書用の証明写真は夏休み中に準備
この秋に小学校受験を控えているご家庭では、夏休みは夏期講習や模擬試験などに大忙しではないでしょうか。幼稚園がある時期にはなかなか進まない準備をするチャンスでもあります。そのひとつが、願書用の証明写真の撮影です。願書に貼り付けるのはごく小さな写真ですが、子どものものとなるとそう簡単には撮れません。一部の私立小学校では家族写真も必要で、一家総出の準備と出費を要します。
出願用の写真は、願書の提出時から3カ月以内に撮影したものを要件としている学校が多いです(学校により2カ月以内、指定無しなど異なります)。出願シーズンである10月から逆算すると7~8月以降に撮影することになります。一般的な証明写真と同じように、正装をして正面を向いた写真を用意します。街中にある自動証明写真機で撮ったり、スマホで撮影した写真を証明写真用に加工してプリントできるサービスを利用したりすることはできますが、学校によっては「スピード写真不可」としているところがあるようです。また、幼い子どもを正面から撮影するのは素人には難しいもの。出願書類を受け取る学校の先生の心象を考えても、写真館やスタジオでプロに撮影してもらうのが無難です。
プロに依頼する場合、子ども1人1ポーズの撮影料金は3,000円~5,000円程度が中心です。別途、プリント代が1枚あたり500円~1,000円前後かかります。撮影料とプリント代1枚分がセットになっているプランや、画像データ形式で納品してくれるところもあります。お受験用だからといって特別に割高なことはあまりなく、一般的な証明写真とそれほど相場は変わりません。証明写真を撮影している写真館であればほぼどこでも撮影してもらえますが、撮影時に室内が暗くなったり、たくさんのカメラからフラッシュが光る環境で、子どもが緊張してうまく撮れないことがあります。個人的には、小学校受験用の写真撮影に慣れているスタジオがおすすめです。全力で子どもをリラックスさせ、よい表情を引き出してくれます。
一部の私立小学校では家族写真も必要
小学校受験の出願で特徴的なのが、家族写真が必要なことです。一部の私立小学校に限りますが、本人の証明写真に加えて、きょうだい含め家族そろった写真を求められるところがあります。こちらも正装で、正面を向いた集合写真を用意します。前回、お受験ファッションの費用についてお話ししましたが、家族写真を撮影する時期までには、お受験対応の洋服を揃えておくとよいのではないでしょうか。
撮影料金は、家族写真だと1ポーズあたり1万円~13,000円程度が中心です。別途、プリント代が1,000円~3,000円ほどかかります。こちらも撮影料とプリント代がセットになっていたり、データを購入できたりする写真館もあります。
家族写真は「スナップ写真可」としている学校もありますが、あまりにカジュアルなものを願書に貼り付けるのははばかられます。細かなことは幼児教室や写真館に相談すると良いと思いますが、実際はプロに撮ってもらうご家庭が多いようです。その場合、写真館のスクリーンの前で座って撮影するのではなく、公園や庭など撮影映えするロケーションを選ぶことがあります。そうすると、撮影料が高くなることがあります。
併願校の願書用に焼き増しも必要
願書用の写真のサイズには指定があります。本人の証明写真は3センチ×4センチや4センチ×5センチの学校が多いようですが、各校で微妙に違います。出願校が多ければ、その分、焼き増しを用意する必要があります。
写真撮影をする夏の時点ですでに出願校が決まっていれば、その学校に合わせたサイズだけ注文すればいいでしょう。また、焼き増しなら後日に追加注文できるスタジオがほとんどですから、必要になったらそのときに注文することもできます。ただ、受験期が近づくと直前講習や願書の記入、提出でかなり忙しくなることを思うと、先に全ての写真を揃えておくのも手です。わが家は夏の時点で併願校が決まっていなかったので、「もしかしたら受験するかも」と想定される学校のサイズをすべて揃えました。0.5センチきざみでサイズの違う写真を何枚も焼き増ししてもらうと、1,000円、2,000円と費用が増えていきました。本人の証明写真と家族写真を合わせて、写真代は3万円近くになりました。
結局、受験しなかった小学校分の写真が4~5枚残りました。ムダといえばムダですが、出願時期ギリギリになって写真が足りずに焦らずに済んだので、出費は安心料だったと思っています。受験期にはなにかと「安心料」という名目のお金が出ていってしまいがちですが……。
いま、手元に残った写真のわが子は、あどけないながらもどこか大人びた表情をしています。写真館がうまく加工してくれたのか、それとも子どもなりに受験生らしくなるように背伸びしていたのか--。親子で真剣に駆け抜けたあの時間が、子どもにとってよい経験になってくれたと願うばかりです。
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