トヨタ、オリンピック開幕直前に前代未聞の「CM見送り」

橋下氏、主催者側の責任指摘。ネット上も波紋

東京オリンピック・パラリンピックの最高位スポンサーの1社であるトヨタ自動車が19日、オリンピック関連のテレビコマーシャルの放映を見送る意向を明らかにした。ツイッター上では、元大阪市長の橋下徹氏が組織委やIOCの責任に言及しているが、大会直前になっての大スポンサーの前代未聞の降板が、今週末の開会式に向けたムードに冷や水を浴びせた格好だ。

dogayusufdokdok/iStock

トヨタ側はこの日、広報担当の長田准執行役員が報道各社のオンライン取材に応じた。読売新聞や東京新聞によると、この席で長田氏は「色々なことが理解されていない五輪になりつつある」と述べたという。豊田章男社長らトヨタ関係者の開会式への出席も見送る方針も明らかにした。

報道各社が速報した昼頃からツイッターでは「トヨタ社長」などがトレンド入り。橋下氏は

これだけ醜いオリパラになってしまったのは、組織委・政府・東京都・IOCすべての責任。特に組織委・IOCの異常なまでの国民感覚・感情との乖離は酷かった。スポンサーのイメージが悪くなるだけ。選手たちがほんとかわいそう。

と主催者側が全面的に非があるとの持論を述べた上で、開会式の楽曲を手がける小山田圭吾氏が26年前に雑誌への取材でいじめ加害を告白していた記事が炎上した問題にも言及。「小山田氏には被害者に償いをした上で、再び頑張って欲しい。」と述べた上で、

「時間が間に合わないからといって彼の楽曲をそのまま流すのは最悪だ。パラリンピック選手たちにあの楽曲を送ってどうする?組織委が決断しなければスポンサーが判断するだろう。」

との見方を示した。元博報堂の広告クリエイター、牧野圭太氏も

「きっとCMはもう完成してるだろう。制作に関わった人たちの苦労や想いみたいなものを想像すると勝手に辛くなる。これも中途半端な開催による弊害で、ここまでに決定がなされてこなかった結果だ。」

と、現場の苦悩を思いやった上で、主催者側の対応のまずさを指摘した。

「CM見送り」の速報には東京都議選でオリンピック中止を公約に掲げた日本共産党の公式アカウントが、共同通信の引用ツイートをするなど早速反応。オリンピック中止論者たちが勝ち誇ったように、「トヨタは正解です」「先見の明がある」などと盛り上がっていたが、直前の「ドタキャン」には批判的な意見もある。

元TBS総研社長の氏家夏彦氏は、プロピッカーを務めるNewsPicksへのコメント(ツイッター連携)で、

「なんかやり方がダサいなぁ。オリンピック憎しの世論をさらに煽ろうという決断をトヨタはしたんですね、残念です。今こそ本来のスポーツの祭典に立ち返り未来への希望を持てるような新しいCMを放送してくれたらよかったのに。」

などと惜しんでいた。

このほかネット民の間からは「CMをやっちゃいな日産」と茶化す人もいれば、「テレビ局には打撃」との意見を言う人たちも相次いでいた。

 

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