水谷隼・伊藤美誠の金メダル、中国SNSが「日本はルール違反」の大合唱

負け認めず「#水谷隼吹球」トレンドに
ライター
  • 中国ネットは「水谷はボールに息を吹きかけ、伊藤は卓球台を触れていた」と指摘
  • コロナ対策のため、昨年8月にこうした行為を禁止に。今大会も新ルールが適用
  • 「負けは負け」非難をなだめる反論はごくわずか

東京五輪の卓球混合ダブルス決勝で中国ペアを下し日本卓球界に初の金メダルをもたらした水谷隼と伊藤美誠。だが、中国のネット世論では負けを認めず、「日本がルール違反をした」との声が根強いようだ。

「水谷隼は確かに息を吹きかけていたし、伊藤美誠は確かにテーブルを触っていた。メダルを与えて良いのか?」

中国のSNS「微博(ウェイボー)」に投稿されたこのツイートには、4万件のコメントと96万ものいいね!がついた。投稿には、水谷隼がラケットに載せたボールに向かってため息を吐くようにしているショート動画と、伊藤美誠がテーブルに左手を触れているシーンが合わせて掲載された。コメントの9割以上は日本を非難するものだ。

「勝ち負けの問題じゃなくて、彼らがルール違反をしたことが問題なんだ」

「日本人にはスポーツマンシップがないんだんな」

「審判以外は全世界がルール違反を目撃している」

「自国有利というのはホームで精神的に良い状態でプレーできることであって、好き勝手にルール違反をしていい訳じゃない」

「小日本は自分たちで決めたルールを守らないのか?」

決勝戦では、中国チームの関係者が大声で「加油(がんばれ)!」と繰り返し合唱し、アウェーのような空気に包まれた。

「日本のほうがルール違反しているだろ」

「マスクして応援してたんだし、ボールに息するよりマシだろ」

膨大なコメントを丹念に探していくと、なかには非難をなだめるコメントもあった。

「不公平かもしれないけど、ボールに息を吹きかけたとかテーブルを触ったということにこだわる必要はないと思う。ゲーム中、中国ペアは明らかに押されていたし、相手のチームワークは素晴らしかった。スピードもあった」

「負けは負けだ。最終セットは0-7までリードされていたし、吹きかけは関係ないだろう」

国際卓球連盟(ITTF)は昨年8月、コロナ対策でボールの汗を乾かすために息を吹きかけたり、台に落ちた汗を手で吹くことなどを禁止する新ルールを作り、オリンピックでも適用されている。今回の結果には、中国の卓球ファンたちの多くは納得していない様子だ。微博やツイッターでは「#水谷隼吹球」がトレンド入りした。

微博を「#水谷隼吹球」で検索すると「祭り」になっていた(筆者撮影)

負けた側が勝ったほうの反則やルール違反を指摘し憤慨する構図は、スポーツ応援の場では珍しくないとはいえ、中国世論の反応は非常に激しいものがある。日本側の行為は、本当に問題があったのだろうか。また、こうして試合結果に“ケチ”を付けられた場合、解決する方法はないのだろうか。

 

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