伊藤美誠、橋本大輝らに中国ネット総攻撃「日本叩きは我が国の基本マナー」

「伊藤が泣けば、オレたちは笑う」罵詈雑言の嵐
ライター
  • 卓球女子シングルス準決勝で伊藤美誠が中国選手に完敗し悔し涙
  • 中国のSNSウェイボーでは「伊藤が泣いた」がトレンドワードに浮上
  • 体操金メダル橋本大輝のインスタは中国語の罵声の洪水。連日ヒートアップ

東京オリンピックは開会式から6日が経過し、連日熱戦が続いているが、日本人選手の活躍に対し、ライバル意識剥き出しの中国のSNS空間のヒートアップがとどまるところを知らない。

29日の卓球女子シングルス準決勝では、伊藤美誠が中国の孫穎莎に0-4とストレート負けを喫した。試合後のインタビューでは、目に涙を溜めてこう答えた。

「0-4ということで、本当に惜しくもなかったのですごく悔しいですけど。ただ、気持ちを切り替えて次の試合に入りたいと思います」

26日の混合ダブルスで水谷隼とペアを組んで金メダルを獲得していた伊藤は、すでに卓球ファンの間で知られている存在。金メダル獲得後は「台で汗を拭いていた」と中国ネット上で執拗に喧伝され、ケチを付けられていた。

微博(ウェイボー)より

試合後、中国のSNS「微博(ウェイボー)」では、「#伊藤美誠哭了(=伊藤美誠が泣いた)」がトレンドワード1位に浮上。30秒ほどの短いインタビュー動画に7万1000コメントと207万いいね!が集まった。溜飲を下げることになった中国の卓球ファンたちが、次々とコメントを寄せている。

伊藤の母親は、子供の頃から寝る前に「中国チームに勝てるのはあなたしかいない」と暗示をかけていたという。これについて、ネット上では辛辣な書き込みが相次いだ。

「お前のママは嘘ツキだったな」

「現実は、お前の母親が言った通りにはならなかったな」

「童話にはいつも嘘つきがいる。お前のママは童話のなかの魔女と同じだな!」

「ママの枕元で、『私は中国には勝てません!』って大声で言うべき」

「夜更には母親が耳元でこうささやくだろう『お前は日本の恥だ〜、お前は日本の恥だ〜』ってな」

中国人にとって、伊藤美誠ほか日本人選手はどんな罵詈雑言を浴びせても良い存在らしい。

「伊藤が泣けば、おれたちは笑う」

「伊藤が泣いているのを見るのは、実に気分が良い。春に咲く花を見ているような気分。良い気味だ、ざまあ見やがれ」

「伊藤をもう少し尊重しろという人がいたが、あいつが中国選手を尊重したことなんてないだろ?」

中国社会では、“日本叩き”はしばしば善行の一種と見做される。

「日本叩きは我が国の基本マナーです」

「同じ泣くのでも、愛ちゃんのほうが可愛げがあるよな」

「小日本ざまあみろ」

「お前は卓球がダメなんじゃない。人間としてダメなんだよ」

いやいや、こんな書き込みを熱心にしている人々のほうが、よほど人間としてダメじゃないかと思うのだが……。

着地失敗の検証動画

では、日本の選手が勝利した場合はどうなのか。28日の体操男子個人総合で金メダルを橋本大輝には実力を認めるのかといえば、そうではない。ウェイボーでは「橋本大輝の脚」がトレンドワードに入り、跳馬での失敗に注目が集まった。ショート動画サイトでは、橋本大輝と中国選手の着地を比較・検証する動画が流れ、“審判がおかしい”、“金メダルには値しない”との世論が作られている。

橋本大輝本人の個人アカウントと見られるインスタグラムには、「日本国の恥」と書かれた着地失敗画像が大量に投稿され、数万件の罵声が浴びせられている。

橋本大輝選手のインスタグラムアカウントより

「核汚染された水を腹一杯飲みやがれ」

「お前は審判の息子なんだろ」

「お前はなぜ死なないの? 資本主義は諸悪の根源」

「日本人を尊重することは永遠にない。尊重とは人間に対して行うもの。日本のような卑劣な民族に対してするものではない」

大会が始まってから連日ヒートアップする中国のSNS空間。オリンピックではナショナリズムが加熱しがちとはいえ、日本人から見ると「ここまでするか?」と思ってしまう。もう少し理性的に自国を応援して欲しいものである。

 

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