営業で成果を出す「コミュニケーション術」〜 一流は感情の伝え方が違う!

重松和佳子『人生が変わるクリエイティブ営業術!』#5
外資系生命保険会社 営業所長、THE SWITCH編集長

営業で成果を出し続けるには色々な技術が必要ですが、中でも私が一番良く聞かれるのが「コミュニケーション術」です。私は今でこそコミュニケーションの達人のように見られていますが、もともと新卒で営業に配属された時には、お客様とは世間話もできず、社内では思ったことをすぐ口に出してしまって場を硬直させるなど失敗続きで「もう何を話したら良いかわからない!」と文句を言うダメダメ新人でした。

「なんで私を営業にしたんですか?」と人事に電話してしまうくらい悩んでいました。そんな私がなぜ「営業は天職!」とまで思えるようになったのか。私が思うコミュニケーションについてお伝えします。

kazuma seki /iStock

まずコミュニケーションには、スキルスタンスの両輪があります。この2つがうまくまわらないと、長期的なコミュニケーションはうまくいきません。どちらか一方では、ダメです。では、多くの方が興味がある「スキル」から行きましょう。

コミュニケーション3つのスキル

コミュニケーションのスキルについての本はたくさん出ているので読んだことがある人も多いのではないでしょうか。一般的な話はそちらに任せるとして、私が伝えたいスキルは大きく分けて次の3つがあります。

  1. 自己開示をする
  2. 言葉づかいに注意する
  3. 相手の本心を探る

自己開示① その時の感情を伝える

その時の感情、喜びや不安、恐れなどを、相手に伝えるのです。

例えば、褒められたら素直に喜ぶ。喜び方にもスキルがあります。例えば「今日も素敵なスーツですね」と言われたらなんと返しますか?「いえいえそんなことないです」もしくは「ありがとうございます!」こんな返しが多いのではないでしょうか。

では例えば「いつも素敵な○○さんに褒めてもらえて、なんだか妙に嬉しいです」と言われたらどう感じますか?また、いつもいろいろ教えてくれる先輩に「こんなことできたんだ、すごいじゃん」と言われたらなんと返しますか。

「いえいえまだ、あんなことができません」それとも「できるようになって嬉しいです!」でしょうか。もちろんこれでも構いません。しかしこんなふうに言われたらどうですか。

○○さんに△△を教えてもらったから、こんな風にできるようになって、すごく感謝しています。いつもありがとうございます

一流になる人は、自分の感情を伝えながら、相手を喜ばせるコミュニケーションが上手です。

自己開示② 興味がないことは素直に伝える

また、興味がないことも正直に言うことが信頼につながります
例えば先日あったお話ですが、とあるアプリ開発をしている方に、アプリ内の記事を書いてみないかと打診されました。私は興味がなかったので断りましたが、友人の経営者にはぴったりなのではないかと思いつき、紹介しとても喜んでもらいました。相手が望むことをするには自分を開示することが大切です。興味がないのに「検討します」と言って自分の宿題を増やすことをしていませんか?

このケースですと、彼は書き手の人数を集めている。書き手候補はおそらく30−40代の女性経営者。たまたま彼は私と縁があったから私に頼んだけれど、彼の興味は「書き手の人数を集めること」であるならば、私に興味がなければその場で断ることが善意だし、ニーズが合う人を紹介すれば喜んでもらえます。興味がないことは素直に断る。これもコミュニケーションスキルの中で大事な自己開示です。

自己開示③ 知ったかぶりしない

また、知らないことを知らないと伝えることも、大切な自己開示です。知ったかぶりをして良いことは何1つありません。「すみません、勉強不足でお恥ずかしいのですが、存じ上げません。教えていただけますか。」これが言える人は、信頼に近づきますし、より良い情報が入ってくるようになります。

時にははっきりノーと言うべき時も(kazuma seki /iStock)

言葉づかい:助詞ひとつで大違い

次に、相手の気持ちを考えた言葉づかいをすることです。
相手が嬉しい言葉はなんでしょうか。基本は「ありがとう」と「ごめんなさい」をきちんと言うことだと思っていますが、ちょっとした会話でも、たった1つの助詞が大切です。

子どもの頃、母親に「何が食べたい?」と聞かれて「カレーでいいよ」と答えると、必ず「カレーがいいね」と答えるようにフィードバックされていました。つまり母にたしなめられたのは、作る人の気持ちを考えてということ。「カレー“で”いい」と「カレー“が”いい」では伝わり方が全く違いますよね。

これと同じで、何かお誘いを受けたら、「行けます」ではなく「ぜひ行きたいです」
二択だったら「どちらでもいいです」ではなく「どちらもいいですね」

興味がなかったら「行きたいけど行けません」ではなく「正直に言って申し訳ないですが、あいにく今回はピンときません。でもまた是非誘ってくださいね」
こうすることで、自分に合わないお誘いは来なくなり、自分に合う人や合う場だけがどんどん残っていきます。

そして相手がどんな話をしたいのか、相手の本心を見極めるのもスキルです。(続きはこちら

 
外資系生命保険会社 営業所長、THE SWITCH編集長

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