中国外務省が拡散する”処理水パロディ画”、現地は「素晴らしい才能」と絶賛

中国側のネット世論は称賛系
  • 中国外務省報道官が福島原発処理水を揶揄するツイートで物議
  • 葛飾北斎の「富嶽三十六景」のオリジナルとパロディを並べて投稿
  • 日中間の対立、SNSの反響でも深まる

中国外務省の趙立堅副報道局長は4月26日、自身のツイッターアカウントで、日本の浮世絵のパロディ作品を投稿し、東京電力福島第1原発の処理水放出問題を皮肉った。

趙立堅副報道局長のツイッターアカウントはこちら。現在は「固定されたツイート」として、目立つ位置に投稿されている。

浮世絵は葛飾北斎の残した『神奈川沖浪裏』。富嶽三十六景の一つで、富士山をバックに大迫力の大波を描いた、あの作品だ。

パロディ化された浮世絵では、富士山が原発の煙突のようなものに置き換わり、小舟の上では防護服に身を包んだ人が核マークの貼られたバケツに入った緑色の液体を海に捨てている。同船者は、船の上で嘔吐。空の入道雲は、十字架を描いていた。

趙立堅副報道局長は英語で次のように投稿。

「An illustrator in #China re-created a famous Japanese painting The Great Wave off #Kanagawa. If Katsushika Hokusai, the original author is still alive today, he would also be very concerned about #JapanNuclearWater.」

(中国のイラストレーターが日本の浮世絵『神奈川沖浪裏』をリメイクしました。作者の葛飾北斎がもし生きていたら、彼もきっと日本の核汚染水の心配をしたことでしょう)

これには「ウイグルでの数十回の核実験を忘れたのか?」、「中国がますます嫌いになった」といったコメントのほか、中国による大気汚染や環境破壊を指摘するリプライなどが殺到。日中間の対立がSNS世論でも深まっている。

イラストには「一個熱愛学習的男孩(=勉強が大好きな男の子)」とクレジットが入っており、もともと4月20日に中国版ツイッター「微博」に投稿されたものと見られる。

投稿元には、「Tシャツを作ったら買いたい」、「自分で描いたの? すごいね」、「なんと言って褒め称えらよいのだろう。学生時代に芸術鑑賞していた時を思い出します」、「素晴らしい才能だ」などの称賛のコメントが殺到。中国メディアも報道し、多くの関心を呼んでいる。

趙外交官は昨年3月にも、アメリカ側が新型コロナの発生源が中国との見解を示した際には、「コロナの流行を武漢に持ち込んだのは米軍かもしれない」などと挑発的な投稿をして物議を醸した。趙氏のSNSでの過激な言動は、「戦狼外交」と呼ばれる攻撃的な外交戦略の一環とみられている。

 

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