【独自】五輪記者たちが重宝「無料乗り放題」Suica付き取材パスのマナー問題

テレビ局関係者「アシ代くらい自分たちで払うべき」
2021年08月05日 18:00
  • 五輪組織委が報道機関に貸し出す取材パス。Suica機能付きで無料で電車移動可
  • 「大会運営の目的以外の私的な利用は禁止」とあるが、飲み会利用の証言も
  • 五輪開催を批判してきた新聞の記者が「これ、便利だねぇ!」とはしゃいでいた?

一般にはあまり知られていないが、東京五輪組織委が報道機関に貸し出している取材パスには、便利な「特典」が付いている。それは「大会関係者用IC企画乗車券」(TPカード)だ。五輪期間中は公共交通機関が無料で乗り放題で、費用はすべて組織委持ちだという。使い方については、”性善説”に基づき記者たちに委ねられているというのだが、果たしてモラルは守られているのか--。

新聞記者「これ便利だねぇ」

記者たち”関係者”に配られた無料カードの利用案内書

オリンピックの期間中、選手、競技団体、メディアなど、組織委から会場の出入りを許されている関係者には「TPカード」と呼ばれるICカードが貸与される。これは誰がいつどの会場に出入りしたかなどの情報が運営側に集約されるというが、このカードにはSuica機能が付いている。

大会期間中を含む7月9日から8月11日まではこのカード1枚で、鹿島サッカースタジアムの有る茨城県の鹿島神宮から江ノ島ヨットハーバーのある神奈川県の片瀬江ノ島まで、首都圏各地に分散された会場を移動するにあたり、基本的にすべての公共交通機関を”無料”で行き来することが可能なのだという。ある新聞記者はこう明かす。

「非常に便利で助かっています。例えば、午前中は自宅から地下鉄とJRを乗り継いで新国立競技場に向かい、陸上を取材。終わったら、またJRと地下鉄を乗り継いで一度会社に上がる。それからJRとゆりかもめを乗り継ぎ、東京ビックサイトにある『メインプレスセンター』へ。夕方には高速バスに乗って、茨城のカシマスタジアムでサッカーを取材してから帰宅。そんなあらゆる移動が、このカードを“ピッ”とかざすだけで済むんです」

東京から約100キロ。鹿島サッカースタジアム駅までずっと「タダ」!(Photo AC)

「確かに、そう言われると後ろめたい気持ちを持っている人もいると思います」

こう語るのは、あるテレビ局関係者だ。

「外国人記者は、日本の交通機関を使い慣れていないから仕方ないにしても、我々はSuicaくらい自分で持っていますしね。こちらも商売で取材させてもらっているので、アシ代くらいは自分たちで払うべきじゃないかと。さんざん五輪開催を批判してきた新聞の記者が『これ、便利だねぇ!』とはしゃいでいるのを見て、ちょっと嫌な気持ちになりました」

TPカードの利用案内に記された対象エリア。開催エリア全域が期間中「無料」となる。

利用案内書には「本人以外の利用、他人への譲渡は禁止、大会運営の目的以外の私的な利用はできません」などと明記されているが、

「他の関係者も含めれば、何千枚も貸与しているわけですから。細かい利用違反など調べられっこないでしょう。実際に、仕事帰りに記者仲間で飲みに繰り出す時にこの無料パスを利用している連中を見たことがあります。大会会場が密集する臨海部を走るゆりかもめの初乗り運賃は300円以上と高いですよね。普段ならば値段を気にせずこんな利用の仕方をするのかと振り返らないわけではない」(某社カメラマン)

もちろん、仮に“悪用する”といっても、しょせんは数百円単位の話なのかもしれない。何人かの記者に聞いたが「どこもこの話題は取り上げていないんだから、わざわざ記事にする必要はないんじゃないか?」という反応も一部にはあった。とはいえ、外国人メディアの行動を厳しく取り上げながらも、自分たちには甘くていいという姿勢は、許されることではないだろう。

 

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