新宿ルミネエスト70人に1人コロナ感染するも「職場内での発生はゼロ」

この数字は今の東京の縮図か
ライター
  • 新宿駅の駅ビル「ルミネエスト」がコロナ消毒のため、全館休業
  • ルミネエストの従業員数は約4200人。2週間で62人が感染した
  • 感染経路を調べると、職場ではなく家族や友人間がほとんど

東京・新宿駅の駅ビル「ルミネエスト」が8月4日、従業員の新型コロナ感染者が増加したため全館消毒を行い、臨時休業した。実は筆者(私)は20年ほど前にルミネエスト(当時の名称は「マイシティ」)の飲食店でアルバイトをしていた経験があるが、当時は従業員の休憩スペースは決して広くない状態だった。現在はどういう状況なのか、株式会社ルミネ広報担当に話を聞いた。

休業したルミネエスト(けんぼ/Photo AC)

担当者によると、これまでも感染状況は随時ホームページで公表していたという。7月21日〜8月3日までの約2週間で62人の従業員がコロナに感染。ルミネエストの従業員数は約4200人とのことなので、おおよそ70人に1人が感染した計算になる。

感染が明らかになった従業員には聞き取りをしているのですが、家族や友人・知人間が経路と見られるというケースがほとんどで、今のところ、職場経由での感染はゼロなんです」(広報担当)

職場でのクラスター化はないと強調した。

経路不明者もいますが、保健所からもクラスターは発生していないと説明を受けました。感染者が働いていた店舗は、特にどこかに集中しているというわけではなく、全体的に感染者が増えていました

商業施設はどこもマスク必須で入り口にはアルコールが設置されており、闇営業で客を入れまくっている居酒屋などに比べれば、感染リスクは低いように思える。70人に1人が感染したルミネエストのケースは、東京の現在の状況い近いのではないだろうか。

従業員用の休憩室などは、問題なかったのだろうか。

休憩室はパーテーションを設置し、食事は1人でするよう注意喚起をしています

同社ホームページでは、感染が判明した日時や店舗を公表。これまで行政機関は「差別や偏見につながる」として詳細な地名の公表を避けてきたが、これだけ感染が広がってしまえば、ある程度具体的に公表されたほうが、注意喚起につながるようにも思う。

ルミネエストでの全館消毒は3日の閉店後から始まり、専門業者に依頼して薬剤などを使用して行ったという。

5日からは営業を再開する予定。客足は「去年と比べると徐々に戻りつつはある」が、まだまだコロナ前とは隔たりがあるという。大阪・梅田の阪神百貨店本店も、従業員からクラスターが発生し、臨時休業したばかり。もはや“コロナウイルスはどこにでもある”と考えたほうがよさそうだ。

 

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