2年ぶり夏の甲子園も、朝日新聞のクラファン支援は5%の絶不調スタート

目標1億円もスタートダッシュ失敗

熱戦の舞台は国立競技場から甲子園球場へ--。東京オリンピック閉会式のあとは、全国高校野球選手権が開幕する(台風により10日に延期)。昨年はコロナ禍を受けて大会は中止になり、春のセンバツに出場する予定だったチームによる非公式の交流試合が無観客で行われた。大会としては2年ぶりの開催だ。

今回は、出場校の関係者らに限定して入場を認めるが、感染対策で一般客には今年もチケットを販売しない。このため、朝日とともに大会を主催する日本高校野球連盟(日本高野連)の台所事情を直撃することに変わりはない。高野連は、NHKや大阪朝日放送(ABC)から放映権料収入を得ておらず、大会でのチケット収入が収益の柱。それでいてPCR検査などの感染対策費用が膨らむこともあり、高野連は7月末から朝日新聞社のクラウドファンディングサイト「A-port」を使って1億円を目標額に異例の支援募集開始に踏み切ったが、初動は苦戦している。

「A-port」より(8/8 15:50時点)

2021年夏の甲子園 全国高校野球選手権大会にご支援を!

大会終了後の8月31日まで募集中というが、プロジェクトを始めて10日余り。当初は全国にあまねく熱心な高校野球ファンからの“浄財”は容易に集まると思われたが、開催前日(8/8)18時時点で約525万円。達成率は5%に伸び悩んだ。これについてツイッターでは応援する声もある一方で、朝日新聞に批判的な人たちから冷ややかな声も多い。

主催の朝日新聞社に負担してもらえばいいんじゃないですかね?

朝日新聞と高野連が出せばいいんじゃん。今までさんざん高校野球で儲けてきたでしょ。

朝日と高野連に一段と厳しい声が飛ぶ理由の一つが、朝日新聞が5/26付朝刊の社説でオリンピック中止を要求した件だ。結局、オリンピックは開催。朝日新聞はスポンサーを下りることもなく、社説で“荒ぶった”過去が「なかった」かのように連日、五輪報道を展開してアンチ朝日の人たちの期待を裏切らなかった。

オリンピックと同じに「中止しろ!命を守れ」とは言わないんですね?

オリンピックもほぼない無観客になってチケット収入無くなったのにずいぶん虫のいいおねがいですこと

クラウドファンディングの始動が低調な背景として、野球ファンの関心がオリンピックに集まり、そもそもの認知度が広がっていない可能性もある。大会が始まり、朝日新聞の報道などを通じて告知されればお金は集まり始めるかもしれないが、先行きは不透明だ。

クラウドファンディングの業界では以前から、成功するプロジェクトのパターンとして「公開初日に10%を集める」「“友人・知人”、“友人・知人の友達”“見ず知らずの人たち”からそれぞれ3分の1ずつを集める“3分の1の法則”」などが指摘される。つまり、初動が重要とされている中で、少なくともこのプロジェクトはスタートダッシュには失敗している。1億円の達成へ向けて、「奇跡の逆転サヨナラ」はあるのだろうか。

 

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