“銀座散策”で日本人を最後までイラっ💢 バッハ会長の言動まとめ

開会式は天皇陛下と「同列」 “ぼったくり男爵”行状録
ライター
  • ドイツへの帰国直前に銀座散策したIOCバッハ会長の言動を振り返る
  • 「チャイニーズピープル」「日本人のユニークな粘り強さ」など色々あった
  • 丸川珠代五輪担当相は銀座散策について「ご本人が判断すべきもの」とスルー

東京五輪閉幕から一夜明けた8月9日、東京・銀座を護衛付きで散策したIOCバッハ会長。9日深夜に羽田空港からドイツへ帰国したが、7月8日に来日してから1カ月、「ぼったくり男爵」の異名も取ったトップの言動は、日本人の国民感情を最後まで愚弄し続けたと言っても過言ではあるまい。

バッハ氏(2019年9月、官邸サイトより)

4月21日、

「緊急事態宣言と東京オリンピックは関係がない」

と述べ、宣言中であっても東京オリンピックを強行するとの考えを示した。だが、来日直後の7月8日には、

「緊急事態宣言はどういうことなのか。それが五輪・パラリンピックにどのようなインパクトをもたらすのか、お話をうかがいたい」

と発言。緊急事態宣言がどういうものか、まったく理解していなかったらしい。

5月19日には、日本人を持ち上げようと思ったのか、こう語った。

「大会が可能になるのは日本人のユニークな粘り強さという精神、逆境に耐え抜く能力をもっているから。美徳を感謝したい」

5月22日には

「我々はいくつかの犠牲を払わなければならない」

などと発言。日本国民に犠牲を強いるかのような表現だったが、後日IOCが火消し。「会長は『この前例のない状況に適応するため、オリンピック・コミュニティーの中にいる全員が犠牲を払わないといけない』と述べた。日本の人々に対してではない」と補足した。

五輪中止論が高まっていた5月25日には、別のIOC委員がイギリスの新聞で次のように発言した。

「アルマゲドン(世界の滅亡)にでも見舞われない限り、東京五輪は計画通りに開催される」

バッハ会長の発言ではないとはいえ、「内心」は似たようなものだったのではないか。

心はすでに北京五輪

来日直後の7月13日には、東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長を前に、

最も大事なのはチャイニーズピープル

と発言。即座に「ジャパニーズピープルの安全だ」と言い直したとはいえ、バッハ会長の心の中にチャイナが大きな存在感を占めいていることだけはよく伝わった。たかが失言とはいえ、本心が透けて見えたようだった。

議論の末に無観客開催が決まっていた7月14日には、菅義偉首相と面会した際、

「新型コロナウイルスの感染状況が改善すれば、有観客も検討してほしい」

と要請。日本政府がようやく無観客開催を決定していたにも関わらず、議論をひっくり返そうとした。

7月15日には小池百合子都知事と会談。

「選手村の他の住人や日本人へのリスクはゼロだ」

と発言した。

7月16日には被爆地の広島を訪問。「五輪強行を目的とした被爆地の政治利用」、「被爆者への冒涜」との声もあった。広島市などが8月6日の黙祷を呼びかけていたが、IOCは対応しなかった。

7月18日には、菅首相や小池都知事など40人余りが東京・迎賓館に集まり、バッハ会長らを迎える歓迎会を行った。

「ご本人が判断すべきもの」?

開幕3日前の7月20日、IOC総会で開催に疑念を抱いていたことを突然告白。

「どんな犠牲を払っても前進すると解釈もされた。しかし、(もし発言すれば)我々の疑念はその通りになっていたかもしれない。五輪はバラバラになっていた可能性がある。だからこそ、我々の胸の内に疑念をとどめなければならなかった」

と明かした。

小山田圭吾氏のいじめ加害、小林賢太郎氏のホロコースト揶揄などの混乱を経てどうにか迎えた開幕式では、天皇陛下と同列でメインスタンドの「プレジデンシャル・ボックス」へ入場。天皇と同格かのような振る舞いに、違和感を覚える人も多かった。

式辞では13分間の長口舌を振るってすべての視聴者をダレさせ、選手たちの多くはゴロ寝で応えた。

winhorse /iStock

そして閉会式から一夜明けた8月9日の銀座散策。どう考えても“必要不可欠”には見えず、帰国直前にイタチの最後屁をかまして東京見物を楽しんだとしか思えない。選手や他のスタッフたちは観光目的での外出は禁じられているが、“五輪貴族”には治外法権が適用されるのだろうか。

これに対して丸川珠代・五輪担当大臣は「不要不急の外出であるかどうかは、ご本人が判断すべきもの」として問題ないとの見解を示した。しかし、バッハ会長の銀座散策に問題がないのであれば、渋谷や歌舞伎町で路上飲みをしている若者も、お盆に田舎に帰省するファミリーも、“本人が判断してOK”となってしまうと国民からの総ツッコミは必至だ。

最初から最後まで波乱と混乱に満ちた大会だった東京五輪。ネガティブな感情も含めて良いのなら、賛成派も反対派もこの上なく心を揺さぶられ、大きな“感動”をもたらした大会だったと言えそうだ。

※追記

五輪組織委員会に見解を聞きたく取材を申し込んだところ、以下の返答が届いた。

西谷様

お問い合わせいただきありがとうございます。
本件につきましてはIOCにお問い合わせいただきますようお願いいたします。
何卒よろしくお願いいたします。

******************
公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
戦略広報課(東京2020ニュースデスク)

 

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