タリバンのアフガン制圧で中国「高笑い」バイデン大統領の責任論必至
「一帯一路」ルート確保アフガニスタンの反政府勢力タリバンが15日、首都カブールを制圧し、SNSを通じて大統領府などの政府施設も抑えたことを発信して事実上の政権奪還を国外にアピールした。
ここまで政権を担ってきたガニ大統領は15日(日本時間16日未明)、Facebookの投稿で「血の海になる事態を避けるために、国外に出ることが最善の選択」として脱出したことを明らかにした。ロイター通信によると、ガニ大統領の行き先は北隣のタジキスタンと見られるが、タリバンの予想外の進撃スピードを読みきれなかったバイデン政権の責任論も出始めている。

タリバンが政権を掌握するのは、アメリカが同時多発テロの後の報復攻撃をした2001年以来。ここにきて急速に勢力を回復してきた要因は、アメリカがトランプ政権時代に決めた軍の撤退だが、後を引き継いだバイデン政権は同時多発テロから20年の節目を迎える9月11日までの撤退を表明していた。
タリバンの今回の攻勢について、同時テロ当時のCIA副長官だったマイケル・モレル氏はツイッターで、大手テレビ局NBCのジャーナリストが「アメリカの諜報活動の大きな失敗」と指摘したのに反論する形で「アフガニスタンで起こっていることは、諜報活動の失敗の結果ではない。これは、歴代の政権による多数の政策の失敗の結果」などと論じた。
What is happening in Afghanistan is not the result of an intelligence failure. It is the result of numerous policy failures by multiple administrations. Of all the players over the years, the Intelligence Community by far has seen the situation in Afghanistan most accurately. https://t.co/TiuGM40CyL
— Michael Morell (@MichaelJMorell) August 15, 2021
しかしブリンケン国務長官は米国内の主要テレビ局のインタビューで「我々の予想を上回る速さで起きた」と想定外の事態だったことを伺わせており、共和党議員らが、バイデン政権がタリバンを過小評価していたのではないかと、責任を追及する声が上がり始めている。

他方、今回のタリバン勝利で「高笑い」をしている国の一つが中国であることに間違いはない。中国は7月28日、王毅外相がタリバン側の要人の一人、バラダール氏らと会談し、中国外交部のサイトにも記念撮影の写真をアップしていた。

両者のここまでの「蜜月」をアメリカ側に誇示するようなパフォーマンスと言えるが、具体的かつ実効性のある支援をどこまで極秘にしていたのか今後明らかになるかもしれないが、いずれにせよ、中国にとっては、アフガンを影響下に置くことで、ヨーロッパまでを貫く広域経済圏構想「一帯一路」を実現する上で、中国はイランにつながるルートを確保できることになる。
🇨🇳-🇰🇬-🇹🇯-🇦🇫-🇮🇷 Meet the 5 Nation Railway Connecting China & Iran (and beyond to 🇹🇷)
➡️🇦🇫🇨🇳 Taliban capture of Mazar-e Sharif puts the whole Afghan segment under Taliban control
➡️🇦🇫🇨🇳 China will recognize Taliban if Taliban does business with China#connectivity #geopolitics pic.twitter.com/NYvXGFlQiW
— Prof. Michael Tanchum (@michaeltanchum) August 14, 2021
アメリカ側もこうした動きは当然把握はしていた中で、中国側に外交的な勝利をみすみす明け渡す結果になったのか。アフガンからの撤退を始めたのはトランプ時代のこととはいえ、その見直しを全くしなかったバイデン政権の責任が問われそうだ。
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