「結論ファースト」と「結論ラスト」、一体どっちが正しいの?
尾藤克之「すぐに使える!バズる文章術」#5- ビジネス文書を書くうえで「結論ファースト」「結論ラスト」どちらが正しいか?
- 結論ファーストの効果は「読者の配慮」や「正確性」。結論ラストは丁寧さ
- 「結論ラスト」は比較的万能型だが、「結論ファースト」に適さない場面が多いことも
ビジネス文書では明確に伝えるために「結論から書く」ことが望ましいと言われています。結論が見えないままに、延々と書いていしまっても相手にストレスを与えるだけです。一方、「結論は最後に書くべき」という人もいます。「結論ファースト」「結論ラスト」、一体どちらが正しいのでしょうか?
結論ファーストの効果
ビジネス文書の場合、「最初に結論を書く」ことがマナーとされています。会話をしていて、なんの話かわからなかったり、意味が通じないと聞く側はストレスを感じます。文章も同じです。要点がわからない内容をだらだら続けてもまったく伝わりません。そうならないためにも、結論から書くことが望ましいとする意見が多数です。
これには2つの理由があると考えられます。
1つ目の理由としては、読者への配慮があります。
読者は時間をかけて文章を読みます。相手の有益な時間を奪っていることになりますから、要点をシンプルに伝えなければいけません。一番伝えたいことを最初に読ませることで読者は丁寧に読むべきかどうか判断しやすくなります。短時間で文章を理解しますので、忙しい人にも読んでもらえる可能性も高くなります。
2つ目の理由が正確性です。
結論から伝えることで、筆者の意図や目的を理解してもらえる可能性が高まります。文章の概要をつかめ、後にある説明を飲み込みやすくなるからです。長々と続けられると、なにを伝えたいのか相手には伝わりません。正確に伝えるためにも無駄をなくして結論から伝えることが大切です。
たくさんのことを伝えようとしても、読者には伝わらりません。そのため、結論ファーストにすることで、「最も伝えたい主張」をくり返し主張することができます。結論から文章を書けば、ひとつの文章のなかで、何回も読ませることが可能です。読者は、自然に「その主張」を受け入れ易くなる効果があります。結論ファーストは主張を「強調」できるのです。
結論ラストの効果
日本では、最後に結論を読ませる書き方が一般的です。映画、ドラマ、小説のクライマックスは最後です。学術論文や研究発表資料も構成は同じです。結論ラストの文章は、データや理論等を提示し、その先にある結論を導き出していきます。読者を興味を誘う方法なので、最後まで読んでもらえるなら、「結論ファースト」よりも理解が深まります。
このスタイルは、読者がすでに関心を持っていたり、商品やサービス内容について知識がある場合に適しています。このときに「結論ファースト」をつかうと、読者はいきなり結論を求められている(押し付けられている)錯覚におちいります。
その結果、読者が不快感を感じると、そこで読むことを断念し心を閉じてしまいます。少しずつ、知識を深める「結論ラスト」のほうが、丁寧な方法と考えることができるでしょう。
「結論ラスト」が比較的万能型であるのに対して、「結論ファースト」に適さない場面が多いことも覚えてください。たとえば冠婚葬祭等の儀式的な場面やシーンは、フォーマルな順序として理解され易い「結論ラスト」が受け入れられ易いでしょう。
あとはテクニカル要素ですが、結論が一般的である場合、「結論ラスト」がスムーズです。逆に一般的でない場合(たとえば、海がピンク色、白いひまわりの花など)は、「結論ファースト」のほうがインパクトがあります。「そんなはずは無いのでは?」とビックリした人は、その理由を知りたがるでしょう。結論ファーストが強すぎる場合は、結論ラストでゆるやかに締めると効果的です。
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