“日本は世界の子ども苦しめる”? 日テレ、グレタさん発言ミスリードか?

「SNSを分断の場所へと変貌」の苦言も

日本テレビが21日朝、「グレタさん“日本は世界の子ども苦しめる”」と題し、スウェーデンの環境活動家・グレタさんがニューヨークタイムズ(NYT)に寄稿した論考を紹介した報道が、ミスリードや誤訳ではないかとネット上で批判が噴出している。

ミスリードが指摘される日本テレビの報道(日テレNEWS24より)

日テレは記事のイントロでも

スウェーデンの環境活動家・グレタさんが日本を名指しして、大量に排出する温室効果ガスが世界の子どもたちを苦しめると訴えました。

と日本だけを強烈に批判しているような書き方をしているが、グレタさんがNYTに寄稿した原文では日本について

The 10 countries with the highest emissions, including China, the United States, Russia and Japan,
(排出量が特に多い中国やアメリカ、ロシア、日本を含む10ヶ国)

という具合に各国と並べて紹介されているに過ぎない。ただ、日テレは記事の本編では

寄稿文でグレタさんは、日本を含む10か国が温室効果ガス排出量の7割を占めているとした上で、被害を受ける子どもの多くは排出量の少ない貧しい国々の子どもたちで、不公平だと訴えました。

などと綴っているものの、タイトルだけが一人歩きしてSNSではグレタさんへの批判のうち無用な反発を巻き起こしつつあった。しかしネット民の間で原文の参照・翻訳が出回り、日テレの報道に批判が噴出し始めた格好だ。

元東スポ、バズフィードジャパンの徳重龍徳氏はツイッターで

日テレの「グレタさん“日本は世界の子ども苦しめる”」はミスリード。原文では「中国、米国、ロシア、日本などCO2排出量が多い10か国」が日本名指しに改悪。怒りで拡散させるネットの悪い手法。外務省の発表で日本は排出量5位も米国は5倍中国は10倍。せめて「先進国」では。

と指摘。続けて

ここ最近、新聞やテレビの大手メディアはネットメディアが得意とする怒り(内容への賛同、反対の両面)によってクリック、シェアをさせる手法を積極的に取り入れていて余計にSNSを分断の場所へと変貌させている。なんでネットから学ぶべきところが最悪な部分なのか理解に苦しむ。

と苦言を呈していた。

 
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