伊藤穰一氏の「代打」石倉洋子氏がデジタル庁トップ内定に賛否両論

年齢やスキル疑問視も、補って余りある魅力?
  • 伊藤穰一氏の就任を見送ったデジタル庁事務方トップに石倉洋子氏内定報道
  • ネットでは「72歳の経営学者」に高齢やITスキル面で疑問視の声も
  • 60を過ぎてプログラミングを学ぶ努力家。そもそも探していたトップの適性は?

伊藤穣一氏の就任が見送られたデジタル庁の事務方トップ「デジタル監」に、経営学者の石倉洋子氏が内定したことが25日、TBSや日本経済新聞などで相次いで報じられた。石倉氏は「日本人女性として初めて、アメリカのハーバード大学大学院で経営学博士を取得した経営学者」(TBS)で、専門は経営戦略、競争力、グローバル人材。商船三井や日清食品HD、資生堂など名だたる企業の社外取締役を務めた経験もある。

ツイッターより

ツイッターでは石倉氏をリスペクトする人たちから期待する声が上がる一方で、72歳という年齢面から「どうして若い人をデジタル担当にしないの?」といった声や「デジタル庁事務方なら最低限必要なのは情報工学の修士ではないのか」とスキル面を疑問視する意見も相次いだ。

そもそも「デジタル監」にふさわしい人物像はどうだったのか。伊藤氏の名前が挙がる約1か月前、平井氏は読売新聞主催のフォーラムで言及した際には、

「やろうとしている事、ミッションとビジョンに共鳴してくれる方というのが一番重要なポイントで、あとは最新のテクノロジーについて知識があること

と述べており(太字は筆者注)、テクノロジーの専門的な知識を強調していた。この頃には「意中の人がいる」と公言しており、MITメディアラボ研究所で所長を務め、MIT退任後もIT企業の取締役を務めていた伊藤氏だったことがうかがえる。ネットでは石倉氏のスキル面を不安視する声が散見されるが、石倉氏自身は60代になってからプログラミングを学び始め、以後、ブログなどでその体験や意義を綴っている。学び続ける姿勢に好感を持つ人たちは多く、一般のネット民から

「ご本人のサイト読んだら、長らくプログラミングに親しみ、Pythonのコーディングもしてる。プログラミング好きとも書いてあって心強い。トップの役職にある人がデジタル技術の勘所を少しでも分かっていたら、アウトプットは大きく変わる」

と期待する声も。

他方、デジタル監はマネジメント手腕が必須だ。デジタル庁は民間からの採用が多く、官民融合の組織をゼロから回し始め、さらに他省庁のデジタル化を進める調整力も要求される。平井氏はこの点について前述のフォーラムでこうも語っていた。

「組織もマネジメントする。ただ、今回の組織はマネジメントするのが大変なので、我々も一緒になってやっていくことになると思いますが、難しいことへのチャレンジに燃えていただける方をと思っていて、いろいろ意識合わせもさせていただきつつあります」

平井氏がこの時「意識合わせ」をしていた相手は、やはり伊藤氏だったと見られるが、その点、石倉氏もグローバルな学識経験に加え、民間企業での社外取締役を歴任して現場経験が豊富なことは確かだ。評価する人たちからは

「デジタル庁が担うDXは、ITシステム開発ではなく、業務システムのリエンジニアリングありきの話だから、経営学者で間違いない」

といった意見も出ていた。

 

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