「女性活躍」という言葉に踊らされず、仕事も家庭も楽しむには?

重松和佳子『人生が変わるクリエイティブ営業術!』#7
2021年09月10日 06:00
外資系生命保険会社 営業所長、THE SWITCH編集長
  • 「お子さんが2人もいるのに凄い」と言われた筆者が“女性活躍”ついて本音トーク
  • 出産直後が「人生で一番辛かった時期」。仕事を楽しくしたいと思う女性の存在
  • 女性も男性も生き生き働くには?家庭もキャリアも正解がないから面白い

「お子さんが2人もいるのに凄いですね」私が、ものすごくよく言われるセリフです。この言葉の背景にある前提はなんでしょうか。「子どもがいる母親は社会で仕事なんてできない」という先入観ではないでしょうか。仕事の成果と、私に子どもがいることや、私が女性であることは全く関係がないと思うのですが…。

保育園の送り迎えも大切な“業務”(maroke /iStock)

女性活躍は時流だが…

「女性活躍推進が叫ばれて久しいが、女性が活躍する必要なんてあるのか?」「これまで通り、社会は男性中心でうまく行っていればそれでいいのではないか?」…いまだにこう考える男性が少なくないのは事実です。

しかし実は、データが示しているのは、女性取締役がいる企業の方が株価パフォーマンスが高く金融危機後の回復力が強い傾向にあり、ミレニアル世代は就職先を選定する際に企業の「多様性・平等性・受容性についての組織方針」を重要視する人が女性で86%、男性で74%とかなり多いことがわかります(参照:内閣府男女共同参画局)。資本市場からの評価という点でも、女性活躍推進に優れた上場企業は機関投資家が注目しているのは今更私がいうまでもありません。

では、私がどう考えて仕事をしてきて、今後どうありたいのか。どんな社会をつくりたいのか。そこに向かうためにはどうすればいいか。今回はそんなお話をしてみたいと思います。

本音は「仕事を楽しくしたい」女性も

人には向き不向きがあります。例えば私が人生で最も辛かったのは、5年前に第一子を生んで半年間の育児休暇をとっている期間でした。小さな人間の命を預かっているという責任感に押しつぶされ、毎日泣いてばかりの日々でした。母親なのに母乳も満足に出ない、母親なのに泣いている我が子がなぜ泣いているのか理解できない、母親なのに…今思えば産後うつだったと思うのですが、とても協力的なパートナーがいたにも関わらず毎日泣いて暮らしました。この時私は仕事に助けを求めました。仕事ならありがとうと言って喜んでくれるお客様がいる。評価してくれる同僚もいる。努力が結果につながりやすい仕事は私にとっては癒しでした。復職後は、だいぶ楽になったのを覚えています。

私は営業という仕事を通じて、自分らしくいられたから、育児と仕事を両方することが向いていたと思います。しかし、仕事に興味がない人も多くいます。そういう人が育児に熱を燃やすこともとっても良いと思います。子どもにとっての親はかけがえのない存在ですから、元来「お母さん」は専業主婦が当たり前だったのもうなずけます。

その一方で、本音を言えば仕事を楽しくしたいという人も多いのではないでしょうか。できれば仕事でやりがいが欲しい。でもなかなかできない…。

maruco /iStock

私が今の会社に転職したときにラッキーだったのが、当時の私の上司も、上司の上司も、配偶者もバリキャリだったことです。男性は「自身のお母さんか、自身のパートナーが働くことが好きなキャリアウーマン」でない限り「女性がバリバリ働くこと」を理解するのは、これまではかなり難しい時代だったと思っています。身近な女性が全員専業主婦だったら、働く女性の気持ちを理解できないのも無理はありません。

しかし、これからはそうも言っていられません。データが示すように女性活躍が進んだほうが、企業の業績は良いですし、何より女性だけでなく男性にとっても働きやすい組織になるからです。

「正解」がないから面白い

「アンコンシャス(無意識)・バイアス」という言葉を聞いたことがおありでしょうか?2000年頃から注目されている新しい概念です。例えば、女子は数学が不得意だという先入観が脳に刻まれたことで女子学生が数学嫌いになったり、オーケストラ団員の応募者と審査員の間に仕切りを置いたブラインドオーディションにすると女性の割合が50%も上昇するという調査結果もあるようです。

アンコンシャス・バイアスは誰もが持っているものです。当然のことながら、かくいう私にもあります。大切なのは、その存在を自覚することによって、誰もがイキイキと働ける社会になると思います。女性活躍推進という言葉が先行してしまっている現代ですが、女性が活躍することだけを目指しているのではありません。マイノリティの人も活躍できる社会を実現できれば、全員が楽しく幸せに生きられるのではないでしょうか。働くのも自由、子育てに専念するのも自由、子どもを持たないのも自由。結婚しないのも自由…家庭もキャリアも正解がないから面白い。

それでも正解や結果を求めて頑張ってしまいますね。多くの女性はすごく努力家なんだと思います。「努力は必ず報われる」というのは一部の勝者の論理だと思っている私です。しかし、報われなかったとしても、努力は必ず成長につながっていると信じています。このまま頑張っていたら幸せになれるだろうか?という思考ではなく、今頑張っている自分が幸せを感じられるか、今この環境を選んでいる自分が好きか、で考えると良いと思っています。

会社や社会の「女性活躍」という言葉に惑わされず、自分らしく、楽しく、幸せを感じられる心を持っていたいですね。

 

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外資系生命保険会社 営業所長、THE SWITCH編集長

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