高市早苗氏の著書、異例のアマゾン総合1位…バカ売れのきっかけを版元に聞いた
版元「先週土曜から急激に予約が入った」自民党総裁選に出馬する意向を固めている高市早苗氏の新刊『美しく、強く、成長する国へ。私の「日本経済強靱化計画」』(WAC、9月15日発売)が、アマゾンの書籍ランキングで「総合1位」に躍り出た。発売前の現時点では予約数をカウントしているものだが、漫画や芸能人の写真集、ビジネスなど全てのジャンルを含めた中で、政治家の本がここまで売れるのは異例中の異例とあって、政界や出版関係者を驚かせている。
高市氏は先ごろ「文藝春秋」9月号で政策構想を発表しているが、書籍はそのフルバージョン。帯には「初の女性首相へ」と明記し、経済政策「サナエノミクス」や危機管理投資、経済安全保障などを盛り込んだ。物議を醸した税制に関してはここでも「分厚い中間層を再構築する税制」を謳っている。
版元WACの担当者は「先週の土曜(5日)から急激に予約が増え始めた」と振り返る。その前日午後、「安倍前首相が高市氏支援の意向」という報道が流れ始め、ツイッターでは、高市氏を支持する保守層のネット民が大歓喜した。担当者はSAKISIRU編集部の取材に対し「当初のテレビ報道は、高市さんを有力候補ではない形で取り上げていたが、安倍さんの報道から大きく変わった。影響はあったと思う」との見方を示した。
ただ、ネット通販の売れ行きがそのままリアルの書店のそれと同じ傾向にならないことは珍しくもない。盛り上がっているのは“ネトウヨ”だけではないかと揶揄されかねないところだが、版元が都内の主要大型書店に初動の感触を尋ねると、「正確な数字は来週明けになるが、河野(太郎)さんの新刊の3倍は動いていると聞いている」(担当者)と手応えを得ている。

政治家の書籍といえば、古くは1972年、田中角栄が総裁選に出馬するタイミングで刊行した『日本列島改造論』(日刊工業新聞社)が90万部を超える大ベストセラーになった。角栄の愛弟子、小沢一郎氏が自民党幹事長時代の絶頂期だった1993年、『日本改造計画』(講談社)を出版した際には72万部とこちらも記録的な売れ行きだった。
21世紀に入ってからは、安倍氏が最初の首相になる直前の2006年7月に出した『美しい国へ』(文藝春秋)は50万部、その2年後に麻生太郎氏が首相就任時に刊行した『とてつもない日本』(新潮新書)は20万部にそれぞれ達したが、昭和の時代と違い、出版市場の縮小や、投票率の低下など政治への関心が高くない世相もあって、近年は出版業界で「政治家の本は売れない」(ある中堅出版社の編集者)と見られていた。それだけに高市氏の新刊の快進撃が総裁選にも勢いがつながるのか注目される。
なお、総裁選のほかの候補者では、前述の河野氏の新刊『日本を前に進める』(PHP新書:8月27日発売)がアマゾンの総合ランキングで53位と健闘。岸田氏の著書『岸田ビジョン』(講談社)は昨年9月の総裁選の際の出版と少し時期が経っていることから総合では2,704位だが、「政治家」のカテゴリーでは4位にランクイン。高市氏、河野氏と合わせて購入する人もいるようで再浮上の兆しだ。
※アマゾンのランキングは9月8日14時時点。
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