GACKTが無期限活動休止を発表 〜 YOUは何しにキプロスへ?

2億7000万円あればEU市民になれる国
ライター
  • 無期限の活動停止を発表したGACKTさんの渡航先だったキプロスとは?
  • 気候は温暖。寒さが苦手なGACKTさん向きか。タックスヘイブンでも注目
  • お金でEU市民権も買え「ゴールデンパスポート」と話題に

歌手のGACKTさんが7日、無期限活動休止を発表。神経系疾患と重度の発声障害のため、声を出すことができない状態だと明かされた。所属事務所によると、GACKTさんは仕事のため滞在していたキプロスから8月6日に帰国し、体調が悪化した。いったいなぜ、GACKTさんはキプロスに行く用事があったのだろうか。

キプロスはトルコ、シリア、レバノン沖の地中海上に浮かぶ(brichuas /iStock)

キプロス共和国はトルコやエジプト、イスラエルなどにほど近い東地中海に浮かぶ島国で、人口は約120万人。面積は四国の半分ほどだ。気候は一年を通して比較的温暖で、雨が少なく、春〜秋にかけては雲ひとつない青空が広がるという。

GACKTは2012年あるいはそれ以前からマレーシアに移住。不動産ビジネスなどで、巨額のお金を動かしていると明かしていた。「寒いところがダメ」とテレビ番組で語っており、キプロスの気候はGACKTも気に入ったに違いない。

キプロス北部の港町キレニアの風景/iStock

「タックスヘイブン」と「ゴールデンパスポート」

気候が良いというだけでない。キプロスは90年代以降は高金利と低税率を生かした金融立国を目指し、タックスヘイブン(租税回避地)として大量のロシアマネーが流入。マネーロンダリングに使われることもあった。

だが、2013年に財政危機「キプロス危機」が発生すると、金融立国としての経済モデルは終焉。EUから金融支援を受けたものの、自国通貨の価値が下落し、ビットコインなど仮想通貨の価値が上昇した。

また、キプロス政府は2013年に「キプロス投資プロジェクト」を実施。不動産投資などで220万ユーロ(約2億7000万円)以上を現地に投資すれば、キプロスの国籍を取得し帰化できる制度を作った。こうして入手した国籍は、“ゴールデンパスポート”と呼ばれている。キプロスはEUに加盟しているため、キプロスのパスポートを所持すれば、EU市民としてEU諸国に自由に出入りし、働くこともできるからだ。

Kagenmi /iStock

だが、昨年10月にはEU欧州委員会から「EU市民権を“販売”している」として是正を求める法的措置を行うと発表した。資金洗浄の疑いのある中国人投資家にもパスポートが付与されるなど、ずさんな制度が問題となっていた。

タックスヘイブン、ロシアマネー、仮想通貨、資金洗浄、ゴールデンパスポート――。GACKTさんがどんな用事をしていたかは不明だが、EUの辺境地として世界的に珍しい制度を持つキプロス共和国には、さまざまなビジネスチャンスが転がっていたのかもしれない。

GACKTさんは8日、ホームページ上でファンに向けたメッセージを発表。

悔しいけど、
すべての活動は休止させ、
治療に専念します。

活動休止期間についてですが正直わかりません。
でも、とにかく早くに戻って来れるようやれることを全力でやります。

などと語り、前向きな姿勢を見せた。一日も早く回復し、また元気な姿を見せてくれることを祈りたい。

 

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