尾身氏のバッハ再来日批判が、逆に「政治家気取り」批判が噴出

舛添氏「科学者の発言とは思えない」

政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が、25日の衆議院厚生労働委員会で、IOCのバッハ会長がパラリンピック開会式に出席するため再来日したことについて「なんでわざわざ来るのか」などと批判したことが、ネット上で「政治家気取り」と批判を招き、政治関係者からも問題視する声があがり始めている。

衆議院インターネット中継

尾身氏は、立憲民主党の尾辻かな子氏の質問に答弁する形で、

「オリンピックのリーダー、バッハ会長、なんでわざわざ来るのかと。普通のコモンセンス(常識)ならできるはずなんですね。もう1回来たから、銀座も1回行ったんでしょと。庶民として強く思います。オンラインでできるんじゃないかと」

などと露骨に不快感を示した。

これについて経産省通商戦略室長の門寛子氏がツイッターで、「尾身会長の何がすごいって、クビにならない程度に、物申すこの絶妙な感じ。素晴らしい人格者でありつつ、円熟味、良い意味での老獪さをあわせ持つところ。。」と政治的な立ち回りの技巧ぶりを指摘したが、

一般のネット民の中には、緊急事態宣言を長期化させる中で、人流抑制以外に打開策が言えない尾身氏への不満は累積しており、

最近尾身会長でしゃばりすぎじゃない?政治家気取りなんかね?

尾身、政治家気取りで批判してるけど何様のつもりなんだろう。

などと強い反発が広がっていた。

尾身氏の「政治家気取り」発言には、プロの政治経験者たちからも違和感があったようで、民主党政権で官房副長官も務めた、元参議院議員の松井孝治氏(現慶應義塾大学教授)は「政友会民政党の政治抗争が激化して、軍人待望論が盛り上がったが如き尾身先生信奉」などと戦前の政治史を引き合いにした上で、「取りも直さず既存政党批判。首相公選なら尾身首相でしょうか。あざとい政党政治家は来年の参院選への出馬を打診するのでは?」と皮肉気味にコメント。

前東京都知事の舛添要一氏も「「ぼったくり男爵」として評判の悪いバッハ会長を吊し上げるという行為は、科学者の発言とは思えない。ファウチ博士のように、公衆衛生の観点から政府にも国民にも直言するという知的誠実性がない。尾身氏は人事と予算ぶんどりに長けた政治家であり、だからこそ12年経っても感染症村に君臨している」と厳しく指摘していた。

尾身氏と菅首相の距離は広がっているとも報じられているが、尾身氏が政治家気取りの言動を見せれば見せるほど、横浜市長選で惨敗するなど国民の不信が可視化される一方の菅政権のコロナ対策にさらなる不満をもたらしかねないムードだ。

 

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