「壊」の年と思った矢先の大震災、24年も「税」の闘争幕開け
【年頭論考】通常国会は復興増税延長が論点?新年早々、あけましておめでとうございます、と言えるムードでは全くなくなってしまった。元日昼過ぎ、石川県能登地方で最大震度7の地震が発生、大津波警報も発令された。
この日の県の発表だけで、4人の死亡が確認された。倒壊した家屋の全体数は不明で、避難者も多数に上る。お悔やみ、お見舞い、そして救助を待つ方々のご無事を心からお祈りします。
「壊」の年と感じた矢先で…
実は1日未明、X(旧ツイッター)に今年の世相を占う1文字として「良くも悪くも『壊』の年になっていく」と投稿した矢先だった。もちろん新年早々の大震災をも予期したわけではなかったが、直感でそう感じたのは次の理由だった。
旧年中は、旧ジャニーズ事務所、宝塚歌劇団、ビッグモーター、日本大学、そして自民党の政治資金パーティー問題など、昭和、平成の時代から各分野で強固な地位を築き上げた組織のガバナンスが根底から揺れ動く不祥事が続出した。だが、これらは「壊」の序章に過ぎないようにも感じている。
以前から繰り返すように、大きなポイントになるのが来年2025年だ。団塊世代(1947〜49年生まれ)が全て75歳以上に後期高齢者になり、高齢化と人口減少のトレンドにアクセルがいっそう踏まれていく。社会のさまざまなインフラは昭和後期の発想の延長で作り続けることはもうできない…
…と各所で30年も叫ばれていながら、抜本的に作り直されることはなかったのが平成の体たらくだったが、政治や選挙に関して言えば、21年衆院選で「兆し」があったように、有権者のボリュームゾーンが団塊世代から団塊ジュニア世代へシフトしていく流れがさらに見える化していくだろう。
今年も「税」巡る政治的闘争
インフレと高齢化のダブルパンチがきっかけではあったが、現役世代の負担が重すぎる社会保障の肥大化に待ったをかける声を踏まえ、一部の政治家、大手メディアでも取り上げるようになったのは小さくない変化だ。その布石となったのがSNS世論で近年勃興していた減税論であり、とうとう一国の首相が減税を言い出さざるを得ず、防衛増税は先送りとなった。
登ってきた道は違うが、Colabo問題に端を発する「公金チューチュー」問題もまた税金の使われ方への注目度を変えた新たな世論だ。旧年の「今年の漢字」はそんな世相を反映し、「税」の文字となってこれもまた小さくない変化を感じさせた。
時代に合わなくなった制度や風習、思考を「壊」し、「税」を巡る政治的闘争はもちろん新年も続いていく。
年の瀬からXでは、東京・渋谷区のふるさと納税制度を通じた、特定の認定NPO法人との関係性への注目度が高まっている。同法人の代表者は強固な単独親権論者で知られることもあって、減税論と共同親権の問題が意外な形で連動する流れもできつつある……
……と思っていたら、「令和6年能登半島地震」の勃発で、その対応が通常国会で最大の論点になるのは必至だ。今後の被害の状況によっては、現在は2037年までとされていた復興特別所得税(復興税)の延長・固定化を許すのかどうかといった論戦に発展するかもしれない。たとえ、政治的体力ゲージが枯渇しつつある岸田首相にその気はなかったとしても、財務省や霞が関の増税派になびく政治家、大手メディアのうごめきには神経を尖らせたい。
「壊」と「税」を巡る激闘や暗闘。残念ながら本サイトは今年「半休」期間に入るが、折あらば新聞・テレビが伝えない視点・論点、あるいは半歩先を行くスクープを配信していきたい。本年もよろしくお願いします。
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