元サッカー日本代表・鈴木啓太氏、自社の子ども向けスープ発売で“腸育”を熱弁
創業9期オーブ社、初の食品事業元サッカー日本代表で、現在は腸内細菌の解析などを手掛けるオーブ社の鈴木啓太社長が29日、東京都内で記者会見し、子ども向けのフリーズドライの味噌汁「おなかのためのスープ」を発売することを明らかにした。
同社は鈴木氏がサッカー選手を引退する直前の2015年10月に創業。トップアスリートの腸内細菌を大学などと研究し、サプリなどを発売。トップアスリートがスタートアップに挑む新たなセカンドキャリアとして注目されているが、今年に入り、腸を整える「腸活」に「食育」を絡めた“腸育”とも言える、こども向けの食品事業に参入。今回はその第1弾となる。
新商品は2〜6歳の児童が不足しがちな7種のビタミン、8種のミネラル入り。子どもの便秘に悩む親は多いが、開発担当者は「悩みを解決するにはお腹を育てるということが非常に重要。目指すべきは、お腹の中にたくさんの種類の菌がいて、それらの菌が活発に活動していることです」と強調した。こどもたちが日常の食事で摂取しやすいよう、特に多く食べる味噌汁仕立てに「海藻」「キノコ」「根菜」の3種類を用意した。
腸内細菌の善玉菌そのものを取得する「プロバイオティクス」だけでなく、菌を増やす“エサ”となる「プレバイオティクス」として、オリゴ糖や軟消化性デキストリンなど4種を摂取することで腸の働きを整える。“腸活”市場は年々伸びており、富士経済研究所の試算では、23年のプレバイオティクスの市場規模は4,616億円と前年より100億円を超える見通し。腸活による脂肪・コレステロール値改善やストレス緩和などへの支持が背景にある。
こども向け食品に取り組むことになった原点は、鈴木社長自身が幼い頃、栄養士の母親から薫陶を受けたきめ細かい食育だ。「『これはビタミンがね』って言いながら私に食事を提供してくれた。私の成長発育に対してものすごく気を使ってくれた」。
鈴木氏の身長は177センチとサッカー選手の中では小柄な方だったが、「これだけ体が小さい中でも大きい選手と戦ったりしましたし、持久力みたいなところも割とあったほうではないか。子どもの頃からそういった教育、腸活は間違いなくやらないより、やったほうがいいんですよ」と力強くお勧めした。
さらにコロナ禍で生じた健康課題の解消も。腸内細菌が多様な人は健康になる傾向が強いが、近年のコロナ禍で人との接触が減少したことでこどもの腸内環境への影響を憂慮していたという。2週間ほど前、「アメリカの研究チームからの報告で、パンデミック中に生まれたこどもは、パンデミック前の同年代のこどもと比べると腸内細菌の多様性が低い著しく低いという報告があった」(担当者)といい、新商品開発中の懸念が的中した格好だ。
同社は今年1月、ロゴを変更。単に健康であるだけでなく、身体的・精神的・社会的に良好な状態(ウェルビーイング)をめざすべき「ベストコンディション」に位置付けた。鈴木社長は「人生100年時代、働く期間が長くなる。学ぶこと、勉強も大事だが、一番土台となるものは健康」と指摘。さらに「私たちが考える腸は人間の体の健康の土台。栄養を食べて栄養を摂取して、そしてお腹の中で体の隅々で吸収してそれを届ける。その役割をしているのが腸ということを考えたときに、ウェルビーイング、人生100年時代を考え、早く取り組むということは非常に大事」と熱弁していた。
新商品「おなかのためのスープ」は、オーブ社のオンラインショップやアマゾンで販売。9月4日から10月27日まで期間限定で東京・世田谷の「二子玉川 蔦屋家電」でも販売する。価格は15個入り5,980円(税/送料込み)など。
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本記事の記者会見はオンラインで参加しました。
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