ジョブズ没後10周年、アップルが追悼動画を公開「世界は変えられる」

家族や仲間は今もそれぞれの道で挑戦中
  • アップルが、スティーブ・ジョブス氏の没後10周年で追悼動画を公開
  • 後継のクック氏は時価総額を6倍、共同創業者のウォズニアック氏は宇宙事業へ
  • 娘はパリコレデビュー。ジョブスの周りの人たちは彼の死後も、挑戦を続けている。

スティーブ・ジョブス氏(Steve Jobs)が56歳の若さで亡くなって今日(10月5日)で10年の歳月が経った。ジョブスが亡くなったのは、iPhone4S新作発表会の翌日のことだった。今年は9月にiPhone 13が発売されたばかりで、月日の経過を感じさせる。アップルでは、没後10周年を記念して「Steveを称えて」の追悼動画を公開した。ジョブスのメッセージ動画を元にしたメモリアル動画と、家族からの追悼の言葉が掲載している。

アップル公式サイト「Celebrating Steve」より

没後10年、本人や家族のメッセージ発信

家族によるメッセージは、彼から学んだ“美意識”は今でも生き続けているというものだった。

「これまでの10年間私達は、哀悼と癒しの日々を過ごしてきました。スティーブのあらゆる才能の中でも特に強く生き続けているのは、教師としての力です。世界の美しさに心を開くこと、新しいアイデアに心を開くこと。次の展開を想像すること。そして何よりも、初心者の自分を忘れずに謙虚でいること。そのすべてを彼は私達に教えてくれたのです」

ジョブスの持つ独特のアーティスト性やクリエイティビティは、iPhoneユーザーだけでなく家族をも驚かせていたようだ。ちなみに、ジョブスの娘、イブ・ジョブスは才色兼備の美しい女性に成長し、今年パリコレのモデルデビューを果たしている。

また、追悼動画として本人のインタビューも披露された。

「大人になるとこんなことを言われる。“世界とはこんなもの”と。その中で生きていくのが君の人生だ。壁を打ち破ろうとするなと。でも一つのシンプルな事実に気づけば、人生はもっと大きく広がる。つまり、あなたを取り巻く人生は、あまり賢くない人たちが作り上げたということ。だから、自分で変えられるし、影響を与えられる。自分のものを自分でつくり、みんなに使ってもらうことも出来る」

彼は亡くなっても、後の世界を生きる人にエールを送り続けているのだ。

Waseef /iStock

残された家族・仲間の挑戦は続く

同社は今年4月1日にで創業45周年を迎えた。ジョブスがなくなる数か月前にCEOを引き継いだティム・クック氏は、「スティーブの言葉を思い出します。“これまでのところ素晴らしい旅をしてきましたが、まだまだ始まったばかりです”と」とツイートしている。

クック氏がアップルを引き継いで以降、時価総額は10年前の39兆円から262兆円と6倍超に増やした。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によれば、ゲーム事業の利益でマイクロソフトや任天堂、ソニーなどのその他のゲーム大手を足した利益よりも上回って世界一の規模に達するという意外な形での絶好調ぶりだという。スティーブのようなアーティスト性、カリスマ性のような個性はないものの、経営者としては大成功を収めている。クック氏はジョブスから社長を引き継いだ際「自分と比べることなど、決してはしてはいけない」と念を押されたという。アップルを継承しても「Think different」のスローガンを体現するように、自らの個性を活かすべきだと考えていたのだろう。創業者に背中を押され、事業を拡大した。

また、ジョブスの盟友でアップル共同創業者だったスティーブ・ウォズニアック氏も先月9月に宇宙企業を立ち上げたばかりだという。宇宙デブリを取り除くという、かつて無い新しい分野のミッションだ。ジョブスを支えていた仲間たちは今、ジョブスの遺志を受けて挑戦をつづけている。彼らにとって挑戦は「まだまだ始まったばかり」のようだ。

 

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