SAKISIRU「共同親権」訴訟結審、判決は3月8日

裁判の経緯おさらいも

ニュースサイト「SAKISIRU」で掲載した共同親権の関連記事で名誉を傷つけられたとして、フランス人男性と親権を争った妻の日本人女性が、運営会社のソーシャルラボ(新田哲史代表)と執筆者のノンフィクションライター西牟田靖氏を相手取り、330万円の損害賠償や記事の削除を求めた訴訟の口頭弁論が16日、東京地裁(中井彩子裁判官)で開かれた。

法廷で弁論が開かれるのは昨年5月の第1回口頭弁論以来、9か月ぶり。この間はオンラインで争点整理を行なっていた。この日は双方から新たな立証はなされず、結審した。判決は3月8日午後1時、同地裁516号法廷で下される。

東京地裁(PhotoAC)

裁判の経緯おさらい

原告の女性は、SAKISIRUが昨年7月、女性と夫のフランス人男性が親権を争った離婚訴訟の判決について取り上げた記事(リンクはこちら)の中で女性について「国際指名手配していたのだ」と書いたことについて「国際刑事警察機構(ICPO)を通じて各国に手配された事実はない」などと述べ、名誉毀損を主張。

さらに女性側は、SAKISIRUが記事の中で離婚協議や子どもを連れ去ったことを報じたことについて、親権制度の問題点を読者に伝える意図があったとしても、プライバシーの侵害にあたるとも主張し、昨年4月7日付で提訴した。

これに対し、SAKISIRU側は、女性が22年12月に外国特派員協会で記者会見した際の案内状に「フランス司法当局が夫人を誘拐容疑で国際逮捕状を出したことが国内外で報じられた」と記載していたことなどから「名誉毀損となる余地はない」と反論。さらに、フランスの裁判所が「ディフュージョン」と呼ばれる制度を使い、国際手配の令状(原文:MANDAT A DIFFUSION INTERNATIONALE)を手配していたことや、フランス人男性の本国での代理人弁護士からのメールなどを証拠として示した。

一方、原告側が主張するプライバシー侵害については、SAKISIRU側は記事では女性を匿名にしていたことや、パリの裁判所で逮捕状が出されたことなど記事内容の公共性を踏まえ、「プライバシー権の侵害となる余地はない」と反論した。

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ソーシャルラボ代表 新田哲史のコメント

「SAKISIRUの報道に正当性が認められるものと信じておりましたが、経営が苦しい中、多くの皆様の温かい励まし、カンパがあったからこそ今日まで戦うことができました。多大なご尽力いただいた代理人弁護士の先生方、証拠提出に協力してくださった関係者の皆様にこの場を借りて改めて御礼申し上げます。

いまはただ勝訴を願うばかりですが、判決の中身によっては大手メディアも含めて、今後の共同親権関連の報道に萎縮を招きかねない重大な問題が孕んでいます。この問題を取り扱うメディアの皆さまには“決して対岸の火事ではない”のだと再度強調します。通常国会に共同親権法案が提出される見通しの中、私どもの判決にもどうぞ関心を持ってくだされば幸いです」

 
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