櫻井よしこ氏あぜん、共同親権「法務省案vs民間案」自民党内バトル勃発

柴山氏“乱入”に衛藤氏一喝!

共同親権の推進派によるシンポジウム「日本の家族制度を考える」(主催:日本の家族を守る会)が11日、東京・永田町の衆院議員会館で行われ、自民党内で制度案を巡る対立構造が鮮明になるハプニングがあった。

衆院議員会館第1で行われたシンポジウム(編集部撮影)

シンポジウムの主催者側は、弁護士・大学教授などがつくる民間法制審議会が昨年提案した独自の共同親権制度案を支持し、法務省の法制審が今年8月に示した制度案のたたき台について「骨抜きになる恐れがある」と批判している。

この日は民間案を支持する自民議員10人ほどを含む約30人が参加。登壇した片山さつき参院議員(元男女共同参画担当相)が法務省のたたき台について「親権の中から監護部分だけを取り出して事実上単独親権になるのでは(と懸念がある)」と指摘した。

続いてジャーナリストの櫻井よしこ氏が登壇し、自民党内で法務省案を推す議員らから「法務省の案でなければダメだという説明が私のところにも来るんですけれども、でも、そうではない」とピシャリ。

櫻井氏(編集部撮影)

立法府の人は自分たちが考える考え方、理想で、この国の家族の問題をどういう方向に持っていくのが良いのか、法務省のたたき台がこういうふうに今できてしまっているから、これに従うことが現実の政治なんだという姿勢は、弱気すぎるのではないか」と法務省案の推進派に苦言を呈した。

また、民間法制審案を取りまとめた北村晴男弁護士は、法務省や裁判所側の「本音」について「裁判所は実務の運用を絶対に変えたくない。変えるのが怖い」との見方を示した。

突如壇上に上がり民間法制審案を批判する柴山氏(編集部撮影)

ここでシンポジウムの法務省批判に真っ向から反発したのが途中参加した柴山昌彦衆院議員(元文科相)。柴山氏は法務省案を推進しており、超党派の「共同養育支援議員連盟」の会長を務めている。

柴山氏の登壇予定はなかったが、参加議員の紹介の際に突如手を挙げて壇上に上がり、「自民党の中で民間法制案は難しいと考えている人が相当程度いる」などと猛批判。

柴山氏が持論を数分述べて「次の予定があるから」と退場しようとした際には、民間案を支持する衛藤晟一参院議員(元少子化対策担当相)が「自分の言いたいことだけ喋って失礼だ」と一喝し、会場が一時緊迫する場面があった。

柴山氏の“乱入”には櫻井氏らも唖然。ある関係者は「まるでプロレスのようだ」と苦笑いする一方、「露骨に民間案をつぶしにきた。これで対立軸が鮮明になった」と語った。

また、この日は憲法学者の百地章氏(国士舘大客員教授)が登壇予定だったが、急きょ欠席した。複数の関係者は取材に対し「百地氏に対し何らかの圧力がかかったのではないか」との見方を示した。

シンポジウムの詳報は順次掲載します。

【関連記事】

関連記事

編集部おすすめ

ランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

人気コメント記事ランキング

  • 週間
  • 月間

過去の記事