「日本が正気に戻り始めた」脱石炭火力不参加で、保守層の“萩生田株”うなぎ上り
非世襲のたたき上げ「ポスト岸田」ダークホースに?COP26(第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議)で、40が国が合意した石炭火力発電廃止をめざす声明文に、日本がアメリカなどと参加しなかったことを巡る、萩生田経産相の発言が保守層に高く評価されているようだ。

萩生田氏は5日の定例記者会見で、「単一の完璧なエネルギー源がない現状では、多様なエネルギー源をバランスよく活用することが重要。そのため日本は声明に賛同していない」と述べた(発言はロイターより)。保守論客として知られるジャーナリストの有本香氏はツイッターで「萩生田さんが経産大臣になったことで、日本が正気に戻り始めた気がする」と持ち上げた。
他にも萩生田氏のこの発言についてツイッターの保守系アカウントは
「バランスミックスこそが重要な鍵」
「萩生田さん、よく言ってくれました。日本には日本の事情がある。」
「こういう方に日本を任せたい。潰されないで欲しいな。」
など絶賛する書き込みが相次いでいた。
文科相で剛腕ぶり発揮
萩生田氏は東京・八王子市生まれ。安倍元首相の最側近の1人として知られるが、世襲が多い自民党にあって珍しくサラリーマンの一般家庭出身。27歳で市議選に初当選して政界入りし、3期10年務めたあと、都議1期をへて2003年衆院選で初当選。安倍氏とは都議時代に拉致問題に取り組んでいたことをきっかけに知遇を得たもので、安倍氏が首相に再登板してからは総裁特別補佐、内閣官房副長官、自民党幹事長代行などを歴任した。こうした経歴から自民党の東京都連内部では「若手の地方議員の間ではレジェンドになっている」(区議長経験者の区議)という。
ただ、安倍氏の最側近とあって、加計学園問題の折に注目を集めるなど、左派メディアの格好のターゲットになった経緯も。安倍氏の信頼を勝ち得た分、“縁の下の力持ち”として重用されることも多く、初入閣はやや遅れた感があったが、安倍政権最後の内閣改造となった2019年に文科相として初入閣。当初は「政務官しか経験していない萩生田先生がどういう手腕を見せるか」(文科省中堅官僚)と慎重に見る向きもあったが、もともと文教族としては森喜朗氏の直系とあって政策通でありつつ、「荒法師」(評論家・八幡和郎氏)と評された剛腕を見せつける。
文科相就任早々、大学入試改革の混乱収束が急がされていた際には、英語民間試験と記述式問題の導入見送りを即断。新型コロナで在宅での学びが急がれた局面では、小中学生が1人1台の「GIGAスクール構想」の推進を前倒しした。閣僚としての手腕は安倍氏の後任である菅首相も評価し、菅政権でも続投。小学校全学年の35人学級実現や、「教員免許更新制」の廃止など長年の政策課題を実現した。
「バランス感覚ある」が「敵は多い」
安倍氏が実質的なオーナーとされる清和会(細田派)は、将来の首相候補として、同じ都議出身、文科相経験者の下村博文氏や西村康稔前経済再生担当相らの名前があがるものの、絶対的な本命は不在だ。そうした中で、文科相時代に失策がなく、むしろ35人学級実現などの実績を残した萩生田氏の存在感が上がりつつある。これまで首相候補として主要メディアはほとんど注目してこなったが、総裁選の際には日経新聞が政府与党のキーパーソンを紹介する連載の1人として、安倍氏や麻生副総理(当時)、岸田氏らとともに“抜擢”された。
菅政権下では、菅氏や河野氏、小泉氏らとも良好な関係を築いていたようだが、安倍氏からの信頼は変わっておらず、総裁選で岸田氏が勝利した直後、萩生田氏を幹事長か官房長官に希望していたとされる。それでも「重要閣僚」の経産相にスライドしたことで、ここでの実績によっては「ポスト岸田」のダークホースとして浮上する可能性もありそうだ。
ただ、萩生田氏を支持する保守系ネット民の中には「バランス感覚は秀でている」と評価する一方で、「敵は多い」「何か(新しいこと)をやることへの才能は感じない」と冷静な意見もある。非世襲の首相候補として注目度が上がるほど、党内・派内からも嫉妬が増え、朝日新聞などに標的にされる可能性は高くなりそうだが、経産相としての初動はCOP26への対応で、保守層の初期評価はまずまずのようだ。
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