維新・梅村氏、党員資格停止6か月の処分に。政治家女子48への移籍待望論も

維新支持者でも割れる評価

入管施設で死亡したスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさんの支援者について、日本維新の会の梅村みずほ参院議員が国会質疑で提起した際の言動が非難された問題で、維新は26日、梅村氏を党員資格を6か月停止する処分を発表した。マスコミでは梅村氏を集中攻撃する論調の一方、ネットでは支援者の問題について注目度が高まるなど世論が分断しており、維新の支持者の間でも処分について評価は割れそうだ。

梅村氏の処分経緯や理由を説明する藤田幹事長(YouTube日本維新の会公式チャンネル)

梅村氏を巡っては参院法務委で「ハンガーストライキによる体調不良で亡くなったのかもしれないし、結局、死因は分からなくなっている」と憶測を交えた発言をしたが、党政調会が「事実確認にとどめるようにして自己の主張の方は行わないように指示していたが、残念ながら守られなかった」(音喜多駿政調会長)として党規委員会での処分を申請。これを受け、党は23日に党規委を開催し、梅村氏へのヒアリングを行った。

藤田文武幹事長はこの日の記者会見で「党員資格処分停止6か月とした」と処分内容を明らかにした。党員の処分段階には、①厳重注意②戒告③党の役職停止④公職の辞任勧告⑤選挙での非公認・非推薦⑥党員停止⑦離党勧告⑧除名–−の8段階があり、党員停止は上から3番目に重い。

会見で藤田氏は「メディアでもさまざまな誤解もあったり、内容と違うことが展開されるのは不本意で正確に申し上げたい」と処分に至る経緯や理由を説明。「支援者のあり方への問題提起のあり方は党としては(問題意識を)持っており、質疑の内容についても事実を元にしっかりとした論理構成のもとで真実に迫っていくことが適切な態度だった」と指摘した上で、「論理構成の未熟さ、感情のセルフコントロールの未熟さからあまりよろしくない質疑になってしまったことについては本人も反省している」と釈明した。

その上で政調会に事前に提出された質問通告の内容と違う内容で質疑が行われ、批判が噴出した結果を受けたことについて「ガバナンスから逸脱する行為があった」と処分理由を述べた。

処分が決まった梅村氏(18日、参院ネット中継)

記者との質疑でも、藤田氏は、党が管理監督する中で「議員が指示に基づいて 動いてくれることを前提にしているから、これを逸脱してしまうとガバナンスを拒否することになる。その1 点において処分理由となる」と改めて強調。「様々な不必要な批判が巻き起こると、本来つまびらかにすべき事実に迫れないし、それは誰にとっても幸せなことでもない。当事者の方が不快に思われることを表明されるのも当然のことだと思う」と残念がった。

また、ヒアリングの際、梅村氏が院内での発言について憲法で認められた免責特権を持ち出す言い方をしたことについて、「煽り文句や捨て台詞を言ったのは処分とは別に不適切」と指摘したのに対し、梅村氏が反省の弁を述べていたことも明らかにした。

一方、前日の馬場代表の記者会見に続き、梅村氏が本来提起する意図があった支援者の問題について尋ねる記者たちはいなかった。むしろ朝日新聞の記者が梅村氏のハンスト発言を引き合いに「政治倫理に反する行為とは判断されていないのか」と尋ねるなど、梅村氏処分ありきでやり取りが進み、ネット世論とのかい離が著しくなっている現状を改めて印象付けた。

ネットでは、大阪の維新支持者からは党の処分に一定の理解を示し、梅村氏に「腐らずに初心に帰るチャンスやで」といった声も上がる向きもあるが、反発する声もある。出入国在留管理庁の調査報告書の内容から、支援者の実態に注目する人たちがツイッターでハッシュタグ「#梅村みずほ議員を支持します」を作るなど応援しており、処分結果についても「維新は梅村議員を処分して誰のご機嫌を取ってるの?」「事実を明らかにすべき、と言って何が悪いの?」などの感想が上がった。

また、政治家女子48の浜田聡参院議員が国会質問で「梅村氏の問題提起が重要」と指摘するなど援護射撃したことから、「ぜひ政女党(旧N党)に来て、浜田聡議員と一緒に仕事して頂きたい」などの“待望論”も散見された。

 

関連記事

編集部おすすめ

ランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

人気コメント記事ランキング

  • 週間
  • 月間

過去の記事