松野疑惑だけではない…朝日新聞が岸田首相の喉元に突きつけそうな「もう1枚の刃」

“小悪党”の騒動が大化けの予感
報道アナリスト/株式会社ソーシャルラボ代表取締役

自民党安倍派の政治資金パーティーを巡る「裏金」問題が、岸田政権を根底から揺るがし始めた。政権発足直前まで安倍派の事務総長を務めていた松野官房長官に、派閥から還流された1000万円を政治資金収支報告書に記載していなかった疑いが浮上。朝日新聞が8日付の朝刊一面スクープで大々的に書き、この日の予算委で松野氏が釈明に追われる事態になった。

参院予算委で釈明に追われる松野氏(参院ネット中継)

朝日は追及の手を緩めず、9日朝刊では安倍派座長の塩谷立・元文部科学相、松野氏以外の「5人衆」、高木毅・党国会対策委員長、世耕弘成・党参院幹事長、萩生田光一・党政調会長、西村康稔経済産業相にも「1千万円超~約100万円の裏金のキックバックの疑いがある」と報じた(記事はこちら)。

これらの報道ソースは「関係者」と曖昧にしているが、具体的な金額など捜査情報に基づいているのは明らかで、東京地検特捜部首脳陣への取材内容を決定打にして書き続けているとみていい。朝日も特捜も共に故・安倍元首相との因縁が深かった経緯から、検事、記者、それぞれの思いはどうあれ、組織的な構図としては“結託しての復讐劇”になっている。

ただ、他メディアも含めて今や情報の大洪水と化した報道の中には、“岸田首相にとっては安倍派の力を削ぐことになり、悪いことばかりではない”という政局視点の超楽観的な見方も出ているが、事ここまでに至ると、安倍派だの、岸田派だの関係ない事態だ。そうした政局視点の戯言など、客船ごと沈もうとしているのに、腹に一物抱えた船客同士の心象をあれこれ占うようなものだ。

万一、安倍派、あるいは二階派でも燻る裏金問題を「対岸の火事」のように思っている岸田派の関係者がいたとすれば、能天気としか思えない。実は朝日新聞は、中央政界で起きている問題とは別に、岸田首相にトドメを刺しに行く別の事件を追いかけている。

東京・築地の朝日新聞東京本社(mizoula /iStock)

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