【独自】日本の2回目ワクチン接種率11月末には80%に。政府の内部文書で判明

「瀬戸際からの回復」真冬を迎え今後どう推移?

全国で進められている新型コロナウイルスワクチンの接種について、政府が11月末に、全人口の約80%が2回目の接種を終えると予測していることが政府の内部文書でわかった。

国内のワクチン接種は開始時期こそアメリカやイスラエルなどの「ワクチン先進国」に遅れをとったものの、1日当たり最大規模165万回超ペース(7月上旬ごろ)で着実に増え、全人口に占める2回目接種の割合は10月20日時点で68.0%とアメリカ、フランス、イギリス、イスラエルなどをすでに凌駕している。最近の感染者数の急激な減少について、複数の専門家が高いワクチン接種率が理由の一つとの分析を出している。

recep-bg /iStock

人口1億人超の高接種率は世界でも異例

日本の感染者数は第5波が始まった7月中旬の東京オリンピック開幕直前に増え始め、8月20日には1日当たり過去最多の約2万5800人を記録。しかし、9月上旬ごろから急激な減少傾向に入り、直近では400人未満とピーク時の1.5%にまで抑制されている。

併せて死亡者数、重症者数もトリプルで減少しており、英紙ガーディアンは「瀬戸際からの回復。日本の驚くべき脱コロナ成功物語」などと伝えている。反ワクチンデモが盛んに行われ、接種率が半数を超えたもののその後は伸び悩む諸外国に比べると、人口1億2000万人超の日本の高ワクチン接種率は「世界の優等生」とも言え、北半球で冬を迎えるにあたって今後、日本の感染状況はどう推移するかが世界的な注目を集めそうだ(参考:英紙ガーディアン)。

今回、入手した政府の内部文書によると、現在の接種ペースが進めば、11月30日には2回目の接種を終えた人は全人口に占める約80%にまで達すると予測。高齢者の同接種率は90%台と10月中旬に比べあまり増えないが、20~64歳の人々の接種回数が順調に積み重なっていくと分析されている。

うち20~39歳の全人口における比率は10月中旬の約50%から11月末に約70%に達すると試算。すでに高い数値にある40~64歳の同比率も10月中旬の約77%から11月末に約87%と10ポイント増える。

東京・大手町に設置されていた自衛隊の大規模接種センター(Yuki MIYAKE /iStock)

世界各国からワクチン接種率の数値を収集・公表している「Our World in Data」によると、「ワクチン先進国」とされる国々の全人口に占める2回目接種の割合(10月21日現在)は、UAE85.6%、シンガポール79.4%、スペイン79.3%、カンボジア75.5% 、ウルグアイ74.9%、チリ74.8%、カナダ73.1%、イタリア70.3%、フランス67.3%、英国66.6%、ドイツ65.3%、イスラエル64.9%、アメリカ56.3%などとなっている。

日本より上位の接種率の国はスペイン(人口約4600万人)、イタリア(同約6000万人)をのぞけば、いずれも人口が少ない国が多く、人口1億人超の日本のワクチン高接種率は異例ともいえる。

感染者数の急激な減少について、政府の専門家委員会などは高齢者や中高年のワクチン効果があると分析。米誌ニューズウィークは専門家の東邦大学の舘田一博教授(微生物・感染症学)の見方を引用しており、「日本では64歳未満の人口を対象としたワクチン接種が、迅速かつ集中的に進められた。これによって一時的に、集団免疫に似た状態がつくられている」と報じている(参考:ニューズウィーク日本版)。

「第6波」備えは万全か

しかし、一方で、高ワクチン接種率と感染者減少傾向の関連性についてはネガティブなデータもある。

日本では目立った反ワクチンデモなどは起こっていないが、若者を中心に政府のワクチン政策には否定的な層も存在している。たとえ、ワクチン接種率が全国民の80%を超えたとしても、ワクチン未接種者のうち接種を希望する者は全体の半分程度となっており、日本でもワクチン接種のペースは鈍化することが予測されている。SNSなどを通じて、ワクチン反対の動きが高まれば、岸田新政権の感染症対策にも影響を及ぼしかねない。

さらに今後は、寒さがいっそう増し、乾燥する冬を迎えて体調を崩す者が増えることや、2回目接種から半年以上が過ぎれば、ワクチン効果が薄まって、感染者が増えるとの分析も出ている。

感染症の専門家である大阪大学医学部感染制御学の忽那賢志教授はNHKのインタビューに答え、今後の見通しについて、ワクチンの接種率が高い国でも若い人を中心に感染者数が再び増加しているところがあると指摘。そのうえで、「これから冬を迎え、気温と湿度が下がってコロナウイルスの感染が広がりやすい環境になる。さらに、私も含めて早めにワクチン接種を受けた人は、半年以上が経過するので感染予防効果が下がっているおそれもあり注意が必要だ」と説いている。

いずれにせよ、これまでの教訓をふまえ、第6波に備え、感染拡大と被害を最小限に抑える方策をとることが肝要だ。

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