日本初!老舗酒屋が7年もの熟成ウイスキー引換券NFTを発売

酒店店主の挑戦をデジタルエコノミー企業が支援

世界的なブームとなっているウイスキー。日本の醸造所のウイスキーも世界で高い評価を得ているが、東京・西麻布で創業116年の歴史をもつ老舗酒屋『長野屋』は、ウィスキーが7年熟成した際に受け取れる引換券を、NFTで販売する。国内初の試みだ。

NFTでウイスキーの熟成を待つ権利を得る⁉(karandaev/istock)

NFTには、SBINFTが提供するプラットフォームnanakusaを活用。polygon network上で引換券を発行。仮想通貨で決済するという。29日(金)夜20時から同店のライブコマースで行う。

今回、引換券NFT「いいさけん」として発売されるウイスキーの原酒は現在、国内で人気の蒸溜所「マルス信州蒸溜所」の樽で熟成3年目を迎えている。このNFT引き換え券を購入すれば、このウイスキーが“7年モノ”となる、4年後の2025年10月に瓶詰めされたものを受け取ることができる。

挑戦好きな酒店店主の試み

今回のNFT「いいさけん」を発行するのは、西麻布の老舗酒屋「長野屋」の4代目、林憲一郎氏。チャレンジ精神が旺盛な人物で、これまで30年間で数十カ国、300箇所以上の酒の生産者を訪問し、現地でお酒を作るなどの挑戦をしてきたという。

昨年のコロナ禍では、アルコール消毒液が品薄となった際に「長野屋アルコール77%」という”消毒に使える酒”を発売。全国から注文が殺到したこともあった。

また昨年10月には、日本ではまだ珍しい”オンラインコマース”を立ち上げた。林氏のお酒にまつわる蘊蓄あふれるトークが「楽しい」と好評で、年商5千万を達成。日本一の結果を残している。2時間の開催時間に600人以上が参加。購買率は35%を超え、450万円もの売り上げを記録したという。

ウイスキー熟成を待ちわびる仲間ができるかも?(PaulSveda/istock)

NFTで予約販売される「いいさけん」のウィスキーは、世界的に高い評価を得ている蒸留所、長野県の「マルス信州蒸留所」(本坊酒造)で熟成中だ。このマルスウイスキーは、世界的なウイスキーコンテスト「ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)」ブレンデッドモルトウイスキー部門で最高賞を受賞している(2013年)。

また「アイコンズ・オブ・ウィスキー(IOW)」でも世界最優秀賞(2017年)。東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC 2021) でも最高金賞を受賞。今回の「いいさけん」で販売するマルスウイスキーの原酒は、長野屋店主と同蒸留所の所長が厳選したシェリーカスクで仕上げた貴重なウイスキー樽で7年間熟成させる。

NFT所有者には、熟成の経過報告や、所有者限定の蒸留所キャンプツアーなど、購入者限定のイベントに参加することができるという。醸造所近くのキャンプ場で、ウイスキーを飲む企画などを考えているという。

酒店店主の挑戦にデジタルエコノミー企業が支援

今回のイベントには、JPYC社とSBINFT社のデジタルエコノミー企業の2社が共同で技術支援。発行プラットフォームは、SBINFT社の「nanakusa」を利用。引換券はpolygon network上で発行される。「いいさけん」という名でNFTが150枚発行され、そのうち135枚を29日の長野屋のライブコマースで販売する。創業114年の老舗酒店と、新興デジタルエコノミーの企業との意外なタッグは、これからの日本にイノベーションを巻き起こす契機ともなるのだろうか。

新しいことに挑戦する酒店店主らとマインドセットを共有しながら、ウイスキーが熟成する長い時間を共有するのも、贅沢な楽しみ方のひとつといえそうだ。

「いい酒あるぞ!長野屋」ライブコマース概要

 
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