ヤフー社員は全国どこでも居住OKに 〜 有識者「地方移住の課題は子供の教育」

「日本の自治体の4分の1は、高校がない」
ライター/SAKISIRU編集部
  • ヤフーが国内従業員の居住地について、制限を廃止
  • ジャーナリストの澤田晃宏氏は、「子供の教育が課題となる」と指摘
  • 子供の受験や教育を考えると、首都圏から1〜2時間圏内が現実的

ヤフーは12日、約8000人いる国内従業員の居住地について、制限を廃止すると発表した。4月から適用され、指示された際に翌日11時にまでに出社できる場所であれば、国内であればどこに住んで良いことになる。従業員同士のコミュニケーションを活性化させるため、懇親会の補助費を1人あたり毎月5000円まで給付するという。

kazuma seki/iStock

これまでは交通費の上限を1日あたり片道6500円としていたが、4月以降は廃止し、月15万円までの交通費の上限は継続となる。ヤフーと親会社Zホールディングスの両社長、川邊健太郎氏はこの日ツイッターで「社員との対話や様々な調査を行った結果、『仕事のパフォーマンスに変化がない、あるいは向上した』という社員が9割であったので、ヤフーは社員の住む場所を国内で自由化する事にしました」と意義を強調。「他方、オフィスの力も否定はしないので、たまの出勤に飛行機も使えるようにします」と説明していた。

今回の取り組みについてリモートワークや地方移住に詳しい専門家はどう見ているのか。兵庫・淡路島での移住経験があり『東京を捨てる コロナ移住のリアル』(中公新書ラクレ)の著者でジャーナリストの澤田晃宏氏に、話を聞いた。

政府の進めているデジタル田園都市構想とも合致しているし、時代の流れには沿っている動きだと思います。

「デジタル田園都市構想」は、デジタル化を通じた地方活性化を目指す政策で自動運転技術やドローン、マイナンバーカードなどを活用しながら、山間部などの利便性を高めるもの。総額5兆7000億円の予算を投入し、デジタル技術を有する人材を5年間で230万人確保する。

ヤフーの制度では日本全国どこでも住むことが可能ではあるが、地方移住は限定的に留まるものと見られる。

課題は教育でしょう。日本の約4分の1の市町村には高校がなく、有名大学も首都圏に集中しています。首都圏まで電車1〜2時間程度の準都会への移住者は生まれるかもしれませんが、それ以上遠方に移住するのは、難しいケースも出てくると思います。

子育て中の夫婦が地方に移住する場合、塾や予備校の有無も考慮しなくてはいけない。小学校受験や中学校受験など、子供に早いうちからより良い教育を受けさせたいと考えると、エリアは限られてくる。

コロナ移住者の大半は子育て世代ですが、子供が赤ん坊や幼稚園生など低年齢の世帯が多い。地方では小学校の生徒数が少なく、人とのかかわり方が学べるのかと不安を口にする人もありました。

また、医療や福祉、建設、運輸、農水業といったエッセンシャルワーカーの場合は、テレワークが成り立たないケースがほとんど。今回のような取り組みは大手IT企業などでは広がるかもしれないが、社会全体で見れば、まだ限定的かもしれない。

ライター/SAKISIRU編集部

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