テスラのマスク兄弟にインサイダー取引疑惑報道、弟のキンバル氏とは?

日本では無名も、「最も重要なのは食べ物」と語る素顔は
ライター/SAKISIRU編集部
  • テスラのイーロン・マスクCEOと弟の取締役にインサイダー取引の疑い報道
  • 日本では無名、疑惑で注目される弟のキンバル・マスク氏とは
  • テスラの初期に出資。「最も重要なのは食べ物」手がける事業は

米証券取引委員会(SEC)は、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)とイーロン氏の弟で同社取締役のキンバル・マスク氏に、インサイダー取引の疑いがあるとして調査している。米ウォールストリートジャーナルが24日(現地時間)伝えた。

イーロン・マスク氏(Automobile Italia/flickr:CC BY 2.0)

疑惑で注目、マスク氏に弟の存在

報道によれば、イーロン氏は昨年11月、自身の持ち株を売却すべきかどうかの是非を問う投票をツイッター上で行った。その前日、キンバル氏は同社の株式8万8500株(約125億円相当)を売却。SECは、イーロン氏がツイート投票を行うこと、あるいは同社株の売却のタイミングについて弟に事前に教えていた疑いがあるという。

イーロン氏が大量の株式を売却することによって、同社株の価格は下落する。その前に、キンバル氏がインサイダー情報を基に高値で売り抜けていたとSECは見ているわけだ。イーロン氏は、英フィナンシャル・タイムズの取材に対して、「弟は私がツイッター投票を行うことを知らなかった」と回答している。

2017年イベントにイーロン夫妻と出席したキンバル氏(右 写真:Shutterstock/アフロ)

このニュースを目にして、イーロン・マスク氏に弟がいたこと、さらに弟がテスラの大株主であったことを初めて知った人も多いのではないだろうか。それもそのはずで、キンバル・マスク氏は、日本では兄と比べると露出が多くない。

兄のイーロン氏はツイッターでたびたび物議を醸しているが、弟のキンバル氏はツイッターをやっていない。インスタグラムは利用しているが、兄とは違い、投稿内容は極めて穏当なものばかりだ。アメリカでは、「ミレニアル世代を魅了するソーシャルアントレプレナー(社会起業家)」として有名なキンバル氏とは、どういった人物なのだろうか。

弟はX.com社やテスラの出資者

1972年、南アフリカに生まれたキンバル氏。ニューヨークタイムズなどによると、南アフリカの高校を卒業後、カナダに渡っていたイーロン氏の元に身を寄せる。兄と同じカナダ・クイーンズ大学に進学したキンバル氏は、1995年に大学を卒業し、ビジネスの学位を取得した。

今回、キンバル氏がテスラの大株主だったことが明らかになっているが、実は兄弟でビジネスを行ったことはあまりない。有名メディアのサイト開発やメンテナンスなどを行なう「Zip2」は兄弟で一緒に設立しているが、この会社を売却して以降、兄弟は別々の道を歩んでいる。

会社の売却益を元手に、兄のイーロン氏はさまざまな事業を興している。一方のキンバル氏は投資家への道を歩んだ。キンバル氏とイーロン氏は、出資者と会社設立者という関係が長い。イーロン氏の現在の成功のきっかけは、PayPal社だと言われているが、イーロン氏がPayPal社の前身のX.com社を設立した際の出資者の1人がキンバル氏だ。キンバル氏は、テスラの初期にも出資している。

農産物の会社やレストランチェーン経営

2017年のニューヨークタイムズのインタビューでは、キンバル氏の夢は「兄が電気自動車や宇宙旅行のために行ったことを食べ物のために行うこと」と話している。インタビューによれば、この夢を思い描くようになったきっかけは自らの事故だったという。キンバル氏は15年ほど前にスノーボードの事故で首を骨折している。

この時、キンバル氏は「何事も体が資本で、そのために最も重要なのは食べ物」と気づいたという。その後、キンバル氏は農産物の生産・販売を手掛ける「Square Roots」や、レストランチェーン「TheKitchen」を作っている。

また、アメリカのすべての家庭に新鮮な果物や野菜を提供するためのプログラム「MILLION GARDEN MOVEMENT」を主宰。さらに、子どもたちへの食育を目的とする非営利活動法人「Big Green」を開設している。

本当にキンバル氏はインサイダー取引を行ったのか、それとも、イーロン氏が主張するように単なる偶然なのか。あるいはネット上でまことしやかに囁かれている「マスク氏潰し」に巻き込まれたのか。捜査の進展を待つほかない。

 

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