米ペロシ下院議長が台湾到着、中国猛反発「自衛の行動を余儀なくされた」

台北101は「TW love US」とライトアップ
ライター
  • 米ペロシ下院議長が2日夜、台湾に到着した
  • 台湾は歓迎ムードだが、中国政府は猛反発
  • 3日には蔡英文総統と面会し、会見を予定している

アメリカのペロシ下院議長(民主党)が2日深夜、台湾に到着した。現職の下院議長の台湾入りは1997年のギングリッチ氏(共和党)以来。現地では、台湾の外交部長が出迎えた。

沖縄のアメリカ軍嘉手納基地では戦闘機8機と空中給油機5機が相次いで離陸して沖縄の南方へ飛行、空中給油機が22機も同基地に到着。中国側は台湾近海を戦闘機が出動したと伝えられるなど、近年にない緊張状態が高まった。

2日深夜、台湾・松山空港到着後、外交部長らの出迎えを受けるペロシ氏(台湾外交部ツイッターより)

ネットでは、ペロシ氏の到着前から専用機の位置情報を示すフライトレコーダーのサイトがダウンするなど、世界的に高い注目を集めた。

台湾メディアによると、ペロシ氏は現地時間22時43分に台北市内の松山空港に到着。台北のシンボルタワーである台北101は21時からライトアップされ、「台美友誼永固(=台湾とアメリカの友好は永遠に固い)」「感謝民主摯友(=民主主義の親友に感謝)」「TW love US」「Welcome to TW」などの文字が映し出されていた。

台湾の歓迎ムードとは対照的に、中国は強い不満を表明している。中国外交部のスポークスマンである華春瑩氏は、到着直後から自身のツイッターからツイートを連投した。

「米国政府で3番目に高い地位にある下院議長が米軍用機で台湾地域を挑発的に訪問するとき、それは決して非公式の行動ではありません」(※グーグル翻訳、以下同)

「米国と台湾は最初に一緒に挑発を行いましたが、中国は自衛のために行動することを余儀なくされました。中国が講じるいかなる対抗措置も、中国の度重なる逸脱と米国の不謹慎な行動に対する米国の忘却に対する正当かつ必要な対応となるだろう」

日本でも反応が相次いだ。

外交安全保障に詳しい自民党細野豪志衆院議員は「ここでプレッシャーに屈して断念すると中国に対する誤ったメッセージになる」「中国がどこまで反応するか。わが国も様々な可能性に備えるべき」と発言。

在日ウクライナ人の政治評論家、ナザレンコ・アンドリー氏は「ペロシ氏による台湾訪問、大歓迎。万が一ロシアの一方的な侵略戦争が成功したら、10年以内に台湾への侵略が起きることは火を見るより明らか」とツイートし、ペロシ氏の訪台の意義を強調した。

そしてペロシ氏本人もツイートした。

「私たちの代表団の台湾訪問は、台湾の活気に満ちた民主主義を支援するという米国の揺るぎない約束を称えるものです。
台湾の指導者との話し合いは、パートナーへの支持を再確認し、自由で開かれたインド太平洋地域の前進を含む、共通の利益を促進します」

私たちの訪問は、米国が台湾を支持していることを繰り返し表明します。それは、強固で活気に満ちた民主主義国家であり、インド太平洋における重要なパートナーです」

台湾メディアによると、ペロシ氏は3日午前10時(現地時間)に蔡英文総統と面会し、11時から記者会見を行う。今後の国際情勢はどうなるのか、注目を集めている。

 
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