旧統一教会が“ガーシー化”、報道機関への「これまでの関わり」公表予告が物議
岸田政権支持率16%ダウンのタイミングで...- 旧統一教会が21日、報道機関に「魔女狩り的なバッシング行為」との声明文
- 過去に教団と接点があった社には「全面的に公表させていただく」と牽制も
- 弁護士や左派などから批判噴出するも、保守派を中心に冷めた見方も
旧統一教会(世界平和統一家庭連合)が21日、「異常な過熱報道に対する注意喚起」と題した報道機関向けの声明文を公式サイトにアップし、全面対決の姿勢を示したことがSNSを騒がせている。

声明文では、連日の教団に対する報道について「『信教の自由』を無視した魔女狩り的なバッシング行為」と非難。教団側に祝電を送ったり、イベントに参加したりした政治家を巡る報道についても「当法人および友好団体等と少しでも接点を持っていれば、まるで犯罪を犯したかのような取り上げ方を繰り返しております」との見解を表明した。
さらに報道機関の中でも、過去に取材やイベント協賛などで教団と接点があった社については「調査結果がまとまり次第、全面的に公表させていただく予定」と牽制する。実際、ネット上では、自民党政治家らと教団の「接点」を追及しているはずのメディア側も2000年代以降、朝日新聞が各地の地域版で、教団の関連団体、世界平和女性連合(WFWP)の行事を何度か取り上げていたことなど、過去記事の存在が指摘されている。
郷原信郎弁護士は「メディアは、こういう「恫喝」に屈してはならない」と呼びかけた上で、「ここまで明確に予告してきている以上、それなりに『メディアと統一教会』との関わりを示す材料は既に確保しているのだろう。問題は、メディア側、そのような旧統一教会側の「反撃」に対して、どういう対抗措置をとるか」との次の焦点を挙げた。
メディアは、こういう「恫喝」に屈してはならない。ただ、ここまで明確に予告してきている以上、それなりに「メディアと統一教会」との関わりを示す材料は既に確保しているのだろう。問題は、メディア側、そのような旧統一教会側の「反撃」に対して、どういう対抗措置をとるかhttps://t.co/b9UjuMIxc5
— 郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 (@nobuogohara) August 21, 2022
一方、“逆ギレ”とも言える異例の対応について、日本脱カルト協会理事でもある山口貴士弁護士は「効いてる、効いてる。関わりあった報道機関の公開?どうぞ、どうぞ」と冷ややかに見た上で、「こんな予告しても牽制になるどころか、関わりあった報道機関は、読者、視聴者に逃げられないために、統一協会に関する報道をますます過熱させるしかないと思いますが」と皮肉った。
効いてる、効いてる。関わりあった報道機関の公開?どうぞ、どうぞ。こんな予告しても牽制になるどころか、関わりあった報道機関は、読者、視聴者に逃げられないために、統一協会に関する報道をますます過熱させるしかないと思いますが。https://t.co/4HlgT2DsuJ
— 山口貴士 aka無駄に感じが悪いヤマベン (@otakulawyer) August 21, 2022
ただ、保守系の論客などは、左派を中心に勢いづく教団批判とは一線を画し、メディア側の過熱報道に対して冷めた見方をしたり、バトルの盛り上がりを“期待”する人も。NHK党の立花孝志党首が「メディアvs統一教会 統一教会と関わった事がある、テレビ局や週刊誌ドンドンめくったって下さい」と煽れば、
メディアvs統一教会
統一教会と関わった事がある、テレビ局や週刊誌ドンドンめくったって下さい。
旧統一教会がメディアを挑発「かつて関わりあった報道機関を調査、公表する」敵対心あらわ(弁護士ドットコムニュース)#Yahooニュースhttps://t.co/7bmvcmzJkz
— 立花孝志 NHK党 党首 (@tachibanat) August 21, 2022
ジャーナリストの有本香氏は「統一教会とメディアの潰し合いが始まるなら、高みの見物といこうか」と冷ややかに語り、保守系のネット民から喝采を浴びていた。
統一教会とメディアの潰し合いが始まるなら、高みの見物といこうか。https://t.co/FWKxFxpBD6
— 有本 香 Kaori Arimoto (@arimoto_kaori) August 21, 2022
一般のネット民からも、
統一協会はカルトだし、脛に傷もあるだろうけど、信教の自由を盾にされたら本来批判されるべき点まで覆い被されてしまう。だからこそ信教の自由に抵触しない範囲で締め付けるべき所を締め付けるべきだった。それをアベガーに利用できると後先考えず狂喜乱舞した結果がこれ。
やり方が一枚上。本気でカルトを潰したいなら、なんで「違法行為」に焦点を絞らなかった?それでは安倍総理や自民党に打撃を与えられないからか?
などと、教団の問題が政争に利用されることへの違和感を述べる声が少なくない。
また、「公表」という意趣返しをちらつかせていることについては
逆恨みからの暴露。やってる事がガーシーと変わらんくて笑うwww
と、おなじみのユーチューバーを引き合いにする人もいれば、声明文の論理構成について
慰安婦問題で反日デモが荒れ狂った90年代の韓国に似てるね。
との見方を示す人もいた。
折りしもこの日、毎日新聞の最新の世論調査結果が発表され、岸田内閣の支持率が36%と前回比で16ポイントもの異例の急落。コロナに感染した岸田首相にとって“泣きっ面に蜂”となった。
自民党と旧統一教会との関係性への見方を尋ねた質問には、「極めて問題があったと思う」(64%)、「ある程度問題があったと思う」(23%)と9割近くも問題視。一連の報道が、政権発足から参院選前まで高止まりしていたはずの岸田政権の支持率を直撃した格好だ。
殺害事件の被害者だったはずの自民党や安倍元首相サイドが、逆に猛バッシングを受けるという奇妙な顛末。岸田派の中堅議員は「終わりが見えない。どうすればいいのか…」と困惑の色を隠さない。9月27日の安倍元首相の国葬まで、政権にとって逆風は必至だ。
ただ、その毎日新聞の調査では野党側も支持率では、維新(13%)や立民(10%)が2桁に達するのがやっとだ。目立った変化はしておらず、逆に自民は前回から5ポイント減とはいえ29%と、依然大きくリードを保っており、野党が統一教会の問題で離れる有権者の受け皿になりきれていない今の日本政治の迷走を色濃く反映した格好だ。
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