尾身茂氏インスタ開設も、ネットはファンとアンチで二極化加速

数日でフォロワー3万も、病床報道で大炎上中

政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長がこのほど、インスタグラムにアカウントを開設し、ネット上で注目を集めている。開設から3日の2日午前11時時点で、3万7000人近いフォロワーを集めており、著名人並みの滑り出しのようだ。

尾身氏は「人流抑制」を推進する上で、若者世代の協力が広がらないことに懸念を示しており、自身が参加する「コロナ専門家有志の会」はSNSやネットメディアでの広報に注力。ここ最近はAbemaTVのアベマプライムに出演して若手論客らと議論して、日頃伝わらなかった人柄が注目されたが、今回のインスタアカウント開設に当たっては有志の会のnoteに、「皆さんの声を聞かせてください。皆さんの力を貸してください」と題した記事を投稿。

基本的感染防止策の実施には、長い間、多くの方々がご協力下さっていますが、その考え方の違いから、分断を生む原因になっている側面もあるのではないでしょうか。しかし、そうした考え方の違いを乗り越えて、様々な知恵やアイディア、工夫が蓄積されているのではないかとも思います。

などと述べている。手詰まり感のある感染拡大防止策のアップデートに向けて、若い世代も含めた双方向コミュニケーションをするスタンスを示しており、ツイッターやインスタではハッシュタグ「#ねえねえ尾身さん」を活用するなどしている。インスタのコメント欄には

尾身先生、そしてスタッフの皆様、インスタ楽しみです😍
こちらこそ、宜しくお願い致します🙌

本当に激務な毎日を過ごされておられると思います。国民のためにご尽力頂きありがとうございます。

などと好意的な投稿が書き込まれ、最初の投稿は6000人を超える「いいね!」を集めている。

自身の病院のコロナ病床報道で炎上

しかし、緊急事態宣言が長期化し、街中の人流は戻り始め、ほぼ無力化している。デルタ株の猛威に続き、1日にはWHOが先ごろ新たな脅威に指定した南米発のミュー株が国内で検出された。ワクチンの大規模摂取が進んでも、新手の変異株が続出する状況だ。菅政権の退陣論が強まる中で、尾身氏に対しても「人流抑制」以外に打開策を取りきれていないことへの不満も鬱積している。まさに氏が懸念する「分断」が進んできた。

一方で、分断を加速しているのは、尾身氏や氏の周辺が疑念を持たれることになっている点もある。朝日新聞系のニュースサイト「アエラドット」は1日、特報として『コロナ病床30~50%に空き、尾身茂氏が理事長の公的病院 132億円の補助金「ぼったくり」』と題した記事を掲載した。尾身氏が理事長を務める、地域医療機能推進機構(JCHO)傘下の東京都内の5つの公的病院で、コロナ患者用の病床が30~50%も使われていないことがわかった、としている。

アエラドットは尾身氏の取材への回答を全文掲載しており、全国で感染拡大が続く中で看護師人材が足りなくなってきた中で、全国の傘下の病院から都内の傘下の病院に派遣することが困難だったことなどを説明している。しかし、「人手不足」の苦しい事情があり、現行制度で違法ではないようだが、記事中の厚労省関係者が

「コロナ病床を空けたままでも補助金だけ連日、チャリチャリと入ってくることになる。まさに濡れ手で粟で、コロナ予算を食い物にしている。受け入れが難しいのであれば、補助金を返還すべきです」(厚労省関係者)

などと強硬論を唱えていることもあって、アエラドットの扇情的な報道が、尾身氏に不満を抱いている「アンチ」の怒りに着火。1日のツイッターは尾身氏や病院への非難で溢れかえった。開設したばかりのインスタのコメント欄にも、

政府に気遣ってるんですか?

早く5類にして下さい。騒動を終わらせる気ないですよね

などとアンチのコメントも散見される。こうした書き込みは、管理者が適宜削除していると見られるが、今後も尾身氏自身が、ネット上で「分断」の端境にあって、自身の考えの周知理解をどのように続けるのか、世論は変化するのだろうか。

 

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