楽天・三木谷氏が「移民」受け入れ提言:総裁選で河野氏は言及するか?
「不安分かるが、もはや他に手はない」楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は16日、ツイッターを更新。「日本の「未来」を考えるうえで、技術者不足という課題を乗り越えるためには「移民」を受け入れていくしかない」と問題提起。これに不安視や反発するリプライが相次ぐと、人口減少を念頭に「不安は分かりますが、もはや他に手はないと思いますよ」と返答した。
三木谷氏「もはや他に手はない」
三木谷氏は今年6月から週刊文春で「未来」と題したコラムの連載を始め、16日発売の最新号まで12回を数える。最新号では「移民受け入れ」をテーマに設定。ツイートは掲載誌の発売に合わせた告知で行った。三木谷氏はここまで少子化や人口減少を背景にした技術者不足についても論考を書いており、この日の午前のツイートでは
日本の「未来」を考えるうえで、技術者不足という課題を乗り越えるためには「移民」を受け入れていくしかない。 イノベーションを起こすためには、異なる価値観が混ざり合うことに意味がある。ダイバーシティ自体がイノベーションをドライブする、そんな時代が始まっている。
とビジネス視点から移民受け入れを提言した。しかし、これには
多様性は必要だが、日本緩い安全保障では賛同できない。
人件費がどんどん下がる 犯罪が多様化 自己防衛の時代になってます。
などの指摘が相次いだため、三木谷氏は夕方になって再び投稿。
移民政策に対する不安は分かりますが、もはや他に手はないと思いますよ。幕末の攘夷論ではないけれど、現実を受け入れないと。人口減少する国に経済発展はないし、科学技術には国際的なトップクラスの人材を集める必要がある。その上で如何に日本らしさをキープするか。
などと理解を求めた。それでもフォロワーなどからは反論も噴出。ただ、感情的なツイートは少数派で、
ヨーロッパもアメリカも移民で苦労していると聞いています。人口減少による労働力不足はAIを始めとした技術投資で突破出来ると信じています。安易な移民政策は技術投資の意欲を削り取り、国民の所得に下げの圧力をかけるため、個人的には反対です。
おっしゃる通りですが、残念ながら、いくつかの理由で国際的なトップクラスの人材は日本に来たがらないと思います。入れるか入れないという話より、なんで来たがらないという課題は重要と思います。
などとロジカルに返す人が多かった。
河野氏「移民政策を真剣に考えねば」
折しも17日に告示となる自民党総裁選(29日投開票)では、コロナ対策と経済再建がメインの論点になっているが、コロナ前から日本の成長に影を落とし続けている人口減少問題については、各候補者たちやメディアの報道でもお見かけしてしない。しかし名乗りを挙げている4人の候補者のうち、河野太郎氏だけは自民党では希少な、移民政策の必要性を明言してきた論者だ。

河野氏は政治家ブロガーとしても草分けの1人で、若手議員だった2007年5月にはタイトルもズバリ「移民政策前夜」と題した投稿をしている。当時から社会問題になっていた技能実習制度など外国人労働者の受け入れ体制について取り上げた上で、各省庁から出される制度案についてめったぎり。
経産省の案は、ようするにバックの企業におもねっているだけでどうしようもない。なるべく安く外国人を搾取するためにどうしたらよいかということしか考えていない。
厚生省案(※原文ママ:正しくは厚労省案)も単純労働者は入れませんという「宗教」から抜け出ていない。
と指摘。また、当時の第1次安倍政権の長勢甚遠法相が技能実習制度の改善案として提起した「外国人労働者短期就労制度」についても
法務大臣の個人的提案なるものは、国際貢献などというデタラメを嘘でしたと認め、国内で必要な労働力を確保するためにどうするかという明らかにこれまでの嘘で塗り固めた政策からの転換を図ったという点で、大きな前進だ。
などと辛口の“太郎節”をさく裂。その上で河野氏は
法務大臣の提案のもう一つの問題は、受け入れ団体を作ってそこにやらせるということ。利権の温床になるのは目に見えている。僕は、これには明確に反対だ。日本はもはや移民政策を議論するときなのだ。
と明確に言い切った(太字は編集部)。
このブログを書いた2年後、自民党は下野。民主党から政権を奪回した後の2014年12月にも河野氏は「50年後に1億人」と題して人口問題をエントリー。当時の骨太の方針が移民政策に舵を切らない外国人労働者制度の新たな設計を提起していることを批判し、
50年後に人口1億人を維持することが必要だというならば、少子化対策はもちろんやらねばならないが、移民政策を真剣に考えなければならない。
人口問題の解決は、本気で取り組むならば、移民政策を抜きにはできない。
と熱っぽく語っていた。
移民受け入れは、三木谷氏が代表理事を務める新経済連盟が度々政策提言を行なっているが、保守派が多い歴代の自民党政権でまともに取り合ったことはない。そうした中で、エネルギーでも独自路線を突き進んできた河野氏は、原発についても安全性を確認できたものについては稼働を認めるなどの軌道修正をしているが、移民政策について総裁選での政策論争で言及する場面はあるのだろうか。
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