日本人クリエイターにチャンス到来 !? かんたん登録可能なNFTマーケット登場

英語やテクノロジーが苦手でもチャレンジできる!
  • 初心者が参加しやすい国産NFTが登場。世界最大NFT「OpenSea」にも繋がる
  • 数万かかる初期費用もpolygonというブロックチェーンシステム採用でより安く
  • NFTはクリエイターの権利を守る仕組み。クリエイターの卵にチャンス到来

今年から世界的に話題を席巻しているNFT。言葉は知っていても「NFTで自分も世界にアートを売ってみたい」と、で実際にマーケットに登録して販売している人は現状では限られている。世界における9割以上のシェアは現在、米国のOpenSea(オープンシー)というマーケットが独占しているが、同サイトは英語圏のもので、普通の日本人にとっては敷居が高く感じられるものだ。

そこで、この取引の壁の高さを低くすべく、デジタル資産関連事業を展開するスタートアップ、リードエッジコンサルティング(本社・東京都新宿区)がこのほど、誰でも自分の作品をNFT化して販売できるNFTマーケットプレイス「Lead Edge」を立ちあげたことを明らかにした。

株式会社リードエッジコンサルティング プレスリリースより

NFTにアート出展のハードルを下げる

英語使用がメインのOpenSeaでは、言語自体がハードルになっている。さらに、OpenSeaの登録には、イーサリアムという仮想通貨の購入、ウォレットの設定など仮想通貨に馴染みのない人には敷居が高い手続きを経なければいけない。いざOpenSeaに登録するにも、高騰するイーサリアムで払う初回手数料(ガス代)の仕組みがあるなど、現状では、英語にもテクノロジーに疎い普通の日本人は踏み込めない要素があまりに多すぎるのだ。

それでも、利用者が全体の9割を占めているのならば、やはりOpenSeaに出品したいと思う人が多いことだろう。このLEAD EDGEではOpenseaにも対応しているため、まずはLEAD EDGEで発行したNFTを、Openseaでも販売することが可能だという。このLead Edgeは日本発のマーケットであるため使用言語は日本語なので、英語が苦手でも簡単にNFTを出品することができる。

また、このLEAD EDGEでは「審査なしで出品できる」ところも特徴だという。今年、国内には多くのマーケットプレイスが誕生しているが、NFTを作成しようとするとき審査制になっている場合も多く、承認されなければNFTを出品することができない場合があるが、審査がないので自由に出品できるという。そして、初めて発行したクリエイターの作品であっても、見つけてもらえるようにキュレーション機能が提供されるという。

invincible_bulldog/istock

OpenSeaのような大型マーケットプレイスでは、いま初回手数料の高さが参入障壁になっているといわれている。なんとか調べることで、高いハードルをクリアし、オープンシーに登録している日本人クリエイター達もいるが、彼らの間でとりわけ話題になったのがこの初回手数料の高さだ。「思ったよりも高かった」という感想が多く聞かれている。

アートをNFTとして発行(ミンティング)する際の初期費用(ガス代)が高いのだ。時価で変動する初回のガス代が(時間帯、イーサリアムの時価によって4000円から2万円前後)OpenSeaでは初回のガス代は一度きりで、購入都度の手数料2.5%と日本の相場が安いのだが、何も知らない初心者からすると売れるか分からない上に、チャレンジする前に決して安くはない初期費用がのしかかる。「ひょっとして売れるかも?」と気楽にチャレンジすることを妨げているわけだ。

LEAD EDGEでは、このNFT化の手続きに主に使われているイーサリアムに比べ、安価で高速なPolygonブロックチェーンを採用しているという。そのためより低価格でNFTを始めることができるのだという。国産NFTマーケットが増えていく中で、こうしたサービスは今後もっと増えていくことだろう。参加する際の壁を低くなって、NFTに取り組みやすくなることは、日本人クリエイターにとって、大きなチャンスが到来しているといえる。

クリエイターに利益が還元される時代に

Iryna Vasylkiv/istock

日本はこれまで、クリエイターの地位は低いままだった。製造業や不動産のような、目に見えるものの価値に優位性のある社会である。アニメやアートが世界で流行しても、クリエイターの権利が守られ、利益が還元される構造になっていない。クリエイターの卵は名を売る機会すら少ない。

例えば工業デザインでも、ファッションブランドでも、クリエイターが企業やブランドに「無償でデザインを提供させられる」というのは無数に聞いたことがある。多くの場合、クリエイターが匿名で大組織の中でいいものづくりをして利益を生んだとしても、その組織は利益を吸い上げられる構造をとっており、個人が報われることも非常に限定的であった。

NFTは、こうした日本のクリエイターが置かれた状況のパラダイムを変えてしまう可能性がある。NFTでは、クリエイター個人の権利が守られる仕組みだからだ。新人であろうが、素人であろうが、「この絵が好きだ」と投資してくれる人が、世界に一人でもいれば報われるのだ。初期費用が抑えられた仕組みで、クリエイターの卵たちが日本のどこにいても参入しやすいのであれば、クリエイターもやり方を学ばないわけにはいかない。チャンスが目の前に広がる時代になってきたのだから。

 

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