憲法9条巡って全労連ツイッターが“サンドバッグ”状態、識者「思考能力疑う」

「ウクライナに9条があれば侵攻されなかったか」のツッコミも
ライター/SAKISIRU編集部
ロシア軍の戦車(資料写真:Vladimir Dyavhkov /iStock)

ロシアがウクライナへ軍事攻撃を行ったことを受けての労働組合の全国組織「全国労働組合総連合(全労連)」のツイートが波紋を呼んでいる。

全労連は24日午後、あるユーザーから寄せられた「憲法9条の力でプーチンによるウクライナ侵略をぜひ食い止めてください。いざモスクワへ!」というコメントに次のように反応した。

「一体「憲法9条」をどんなものだと考えてらっしゃるのですか?もしロシアに9条と同じようなものがあり、それがしっかり機能していれば、ロシアはウクライナに進攻できなかったでしょう。憲法は国民が政府が勝手な行動をしないように縛るもの。9条は自国の政府が戦争を始めないように縛るものです。」

このツイートには一般ユーザーはもちろん、有識者からも続々とツッコミが入った。

サキシルでもおなじみ、地政学・戦略学者で、国際地政学研究所上席研究員の奥山真司氏は「これはすごいレトリック」とコメント。

参議院議員の浜田聡氏もツイートに次のようにコメントし、全労連に現実を見るべきと指摘した。

日本の隣国であるロシア、中国、北朝鮮はいずれも核保有国であり、それぞれの国には憲法9条と同じようなものはありません。現実を見ましょう。

猫組長の愛称で知られる作家で投資家の菅原潮氏も次のようにツイートした。

ロシアに憲法9条があったらプーチンが改憲して戦争します。

総合内科専門医で、がん薬物療法専門医の仲田洋美氏は次のように手厳しくツイートした。

この論理が正しければ強制的性交を刑法が禁止したら強姦される女性はゼロになる。殺人や暴行を禁止する法があればそれらはゼロになると言うことになります。正しくないのは火を見るよりも明らか。全労連って思考能力疑う。

また、杉並区議会議員の矢口泰之氏(自民党)は次のようにツイートし、必要なのは9条ではなく国防力と強調する。

ウクライナに9条があれば侵攻されなかったかと問いたい。必要なのは9条ではなく国防力です。侵攻側にとって他国の憲法は抑止力にはなりません。

矢口氏の言う通り、ロシアのウクライナへの軍事攻撃に絡めて憲法9条を論じるのであれば、「もしウクライナに憲法9条があればロシアは攻めてこなかった」となると思うのだが……。何か不都合でもあったのだろうか。

全労連のツイートから約3時間後、共産党志位和夫委員長は憲法9条について次のようにツイートした。

「憲法9条をウクライナ問題と関係させて論ずるならば、仮にプーチン氏のようなリーダーが選ばれても、他国への侵略ができないようにするための条項が、憲法9条なのです。」

全労連は共産党の指導や援助により結成された組織だが、考え方は基本的に同じと見ていいだろう。これに対して経済学者の池田信夫氏は次のようにツイートし、両者の関係性を解説した。

全労連(日共系)も同じことをいってるから、これは共産党が学習会で教育したんだろうね。これはGHQの立法意図としては正しいが、それでは自国は守れない。この解釈をとるなら、共産党は(終戦直後のように)武装自衛できるように憲法改正を主張しないといけない。

 
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