長期ロックダウン中の新疆ウイグル自治区で餓死者も…人権団体が訴える「絶望的惨状」

母がウイグル出身、自民党元候補者「国際社会の注目だけが頼り」
ライター/SAKISIRU編集部
  • 中国のゼロコロナ政策がウイグル人自治区にもたらした惨状とは?
  • 人権団体が「絶望的なメッセージ」を発信。ロックダウン長期化で餓死、自殺…
  • 現地発のSNS発信も検閲で削除。母がウイグル出身の自民党元候補者の訴え

ゴールドマン・サックス・グループは13日、来月に行われる共産党大会の後も中国はゼロコロナ政策を貫くとのリポートを発表した。リポートによると、ゼロコロナ政策の年内の転換の可能性は薄いという。

そんな中、中国・新疆ウイグル自治区で、深刻な問題が起きていることが分かった。人権団体「ウイグル人権プロジェクト」(UHRP)は9日、公式サイトに「“We are Dying”: Desperate Messages from Uyghurs Facing Starvation and Death Under Zero COVID Lockdowns」と題した記事を公開した。日本語での意味は、「“私たちは死んでいる”ゼロコロナ政策で飢えと死に直面するウイグル人からの絶望的なメッセージ」といったところだ。

1カ月に渡って食料配達なし

記事によれば、新疆ウイグル自治区ではゼロコロナ政策で中国政府が住民の外出を厳しく制限しているが、ウイグル人家庭には、1カ月にわたって食料が配達されていない。新疆ウイグル自治区イリ・カザフ自治州のグルジャ市に住むウイグル人から、UHRPに送られた複数のテキストメッセージと動画から分かった。さらに、餓死を報告するメッセージも複数人から送られているという。

そのほかにも、16 歳の少女が泣きながら「アパートに一人で閉じ込められている。極度の痛みに苦しんでいる。私は死にかけている」と話すメッセージや、「重要な薬を入手するため、あるいは医療上の緊急事態のためにすら、外出が許可されていない」といった趣旨のメッセージも送られているという。また、ある母親からは、「子供たちが高熱を出しており、病院に連れて行くためでも家を出ることができない」とのメッセージも届いた。UHRPによると、こうした内容の動画とテキストメッセージの数は、数十に上る。

新疆ウイグル自治区のこうした現状を外部に知られることに中国政府は過敏になっているのか、SNSから新疆ウイグル自治区での食糧や医療ケアの不足に関する内容の投稿を削除する動きもみられる。

現地の切実な声は検閲によって削除

英大手紙・ガーディアンや、中国のネット検閲問題を追及するウェブサイト「チャイナ・デジタル・タイムズ」によると、メッセージアプリ「WeChat」では、新疆ウイグル自治区でのロックダウンによる混乱ぶりを明らかにするような投稿は検閲によって削除されたという。

削除された投稿の中には、妊娠中の母親が必要な医療ケアを拒否されたり、発熱した子どもが病院から締め出されたりといった書き込みもあった。また、「40 度の熱の子どもが医者に診てもらうことさえできず、妊婦は病院に行くことさえできません。これ以上我慢することはできません」というものもあった。AP通信によると、子どもの死やロックダウンに耐えかねて自殺者が出たとする書き込みも削除されたという。

ウイグルの惨状、国際社会の声は届くのか(画像は2015年仏国内のデモ:AdrianHancu /iStock)

UHRPのオメル・カナト事務局長は、現在の新疆ウイグル自治区の人権状況について危機感を募らせる。

ウイグル人は、政府の政策を批判すれば拘留や拷問を受ける危険があることを知っています。彼らがこのようなメッセージを発信している場合、それは状況が完全に耐え難いものであることを意味します。彼らは自分が死にかけていると感じているため、リスクを冒してメッセージを送っているのです。

元国連職員で、7月の参院選に自民党から立候補した英利アルフィヤ氏は、中国のゼロコロナ政策を「実質上の自宅軟禁」と表現し、「ウイグル人市民の餓死・自殺が始まっています。国際社会の注目だけが頼りです」と訴えている。

母の出身地であるウイグルのイリ地区では食糧・医療ケアが与えられない「ゼロコロナロックダウン」(実質上の自宅監禁)によるウイグル人市民の餓死・自殺が始まっています。中国のSNSから流出している動画は見るに堪えないものばかり。国際社会の注目だけが頼りです。

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