ロシアの同盟ネットワークは瓦解するのか…先行き占う4つの要素

佐々木れな『国際問題:リアルとセオリーの結節点』#8
ジョンズ・ホプキンス大学博士課程在学
  • ロシアの軍事同盟ネットワークの瓦解はあるのか?
  • 同盟はどのように終わるか?終焉を占うフレームワーク
  • ロシアなど6か国が加盟するCSTOを当てはめてみると…

この連載の目的は、今世界で起きている国際問題を、国際政治学の理論やフレームワークで説明することである。理論やフレームワークは、今起きている国際問題の複雑な情報を構造化し、論理的に思考する一助となる。第8回は、ロシアの同盟ネットワークについて考察する。

ロシアの同盟ネットワーク

ロシアの同盟ネットワークである集団安全保障条約機構(CSTO)は現在、ロシア、アルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、タジキスタンの6カ国で構成される軍事同盟である。

CSTOの6か国(Main_sail /iStock)

ソ連解体後に結成された独立国家共同体の後追いとして1992年に締結された「集団安全保障条約」に起源を持つ。CSTOは2000年代以降、キルギスとタジキスタンにロシア軍基地を設置するための法的枠組みを制定し、加盟国がロシア国内価格で武器を購入できるようにし、共通の防空システムを追求するなど、その能力を高めてきた。その背景には中央アジアにおける米国の軍事的プレゼンスに対する反動もある。

ロシアによるウクライナ侵攻以来、中央アジア・コーカサスといった旧ソ連圏に位置するCSTO加盟国は慎重な対応を取ってきたが、ロシアを支持するというよりは批判的な動きが多くなっている。

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