原英史氏、森ゆうこ氏に二審も勝訴!判決で全否定された毎日新聞の「新証拠」とは?

原氏「情報を扱う会社として恥ずかしい」

毎日新聞と係争中にも関わらず、同紙記事をソースに一方的な断定による名誉毀損や、ネット上に住所を晒すプライバシー侵害の被害を受けたとして、政策コンサルタントの原英史氏が、森ゆうこ(裕子)前参院議員に対し、慰謝料など385万円の損害賠償を求めた控訴審訴訟の判決が26日、東京高裁であった。

石井浩裁判長は「原判決は相当だった」として、一審に続き森氏に対し、34万円の支払いを命じた。

森氏(右)に勝訴した原氏

原氏と森氏のバトルは2019年6月、当時、政府の国家戦略特区ワーキンググループ(WG)の座長代理だった原氏が特区申請事業者から不正なお金を得たかのような印象を与える記事を毎日新聞に書かれたことが発端だった。

原氏は毎日新聞を名誉毀損で訴えるなど(一審は毎日が勝訴。二審は原氏が一部勝訴し、上告中)、事実内容に疑義があったにもかかわらず、森氏は国会質問やネット上の発信で「特区の議論の公正性を疑わせるような大変な事態」などと原氏を一方的に糾弾した。

国会議員の院内での発言内容は、憲法で免責特権を保障されているため、民間人の原氏は森氏の法的な責任を問えないが、森氏がSNSに係争中の毎日記事をアップ。これを原氏が森氏による名誉毀損に当たると主張していた。

また、原氏が代表理事を務めていた一般社団法人の登記簿をツイッターに公開したが、原氏の住所を含めた個人情報をそのままネット上にさらしたことで、プライバシーを侵害した点でも原氏は訴えていた。

(一審判決の記事: 原英史氏、森ゆうこ氏に勝訴!東京地裁、名誉毀損とプライバシー侵害認め賠償命令

新証拠、判決「正確性に疑問」

一審判決では、これらの名誉毀損やプライバシー侵害を認定していたが、原氏は提訴時の損害賠償額支払いを、森氏は一審判決の取り消しを、それぞれ求め控訴していた。

二審で森氏サイドは、ネット上にアップした資料が国会審議で使ったもので免責特権の対象になると主張したが、判決は、院外で資料を公表したものは「免責特権の対象になると解することはできない」と退けた。原氏は、請求額の見直しは認められなかったものの、一審に続き勝訴した。

判決後、原氏はSNSにコメントを発表した。森氏が国会で一度配布した資料がネットで拡散した後も「免責特権の対象になる」と主張したことについて「こんな拡大解釈が認められた大変なこと」と振り返り、「当方の主張が全面的に認められ、妥当な判決にほっとしているが、問題は、国会議員がこんな過剰な特権意識で活動していることだ」と指摘。国会で免責特権の濫用防止について議論が必要との考えを示した。

一方、控訴審では、森氏が新たに提出した「証拠」も焦点となった。この証拠は、毎日新聞と原氏の上告審の手続きで、原氏が特区申請事業者から会食接待をされた裏付けとして、毎日側が最高裁に提出した領収書だ。

森氏は毎日新聞の記事に信ぴょう性があると主張するために、毎日に合わせ領収書を証拠として出したようだが、この領収書には屋号の記載や内訳、税額が記載されておらず、判決は「成立や内容の正確性等に疑問がある」として採用しなかった。

「新証拠」が全否定された毎日新聞の対応について、原氏は「情報を扱う生業の会社として、こんな判決が出されたのはあまりに恥ずかしい」と呆れた様子だった。

 

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