台湾有事で日本が本当に考えなければならない「戦略的態度」とは?

戦略家の名言に見る「勝利への道」
地政学・戦略学者/多摩大学客員教授
  • 台湾有事は起きるのか?備え方について考える
  • 参考になる冷戦時代の「フルダ・ギャップ」の事例とは
  • 思いがけない戦端も…戦略家が教える最も大事な心構えとは?

「ウクライナは、明日の東アジアかもしれない」

ウクライナ訪問を終えた岸田首相は3月26日、防衛大学校の卒業式でこのように訓示した。東アジアで最も有事の可能性が高いのはどこかといえば、まず台湾有事を思い浮かべるだろう。

防大の卒業式に出席した岸田首相(官邸ツイッター動画より)

台湾有事は起きるのか?

「台湾有事(危機)は起こるのだろうか」という質問は、現在の日本の安全保障や国防の専門家だけではなく、海外のニュースが気になる一般国民の我々も、少しは考えたことがあるはずだ。

結論だけ先に言ってしまえば、この質問は専門家や政府関係者でさえも「わからない」という答えが正直なところであろう。未来予測、とりわけ国の運命がかかった軍事や安全保障に関わるものは、それこそ占い師でもない限り、専門家でさえも断定的に予測できるものではなく、「可能性が高い・低い」と答えるくらいが関の山なのだ。

それでも台湾有事の可能性というのは、日本の安全保障問題だけでなく、米中の衝突という大きな枠組みで考えればインパクトの大きなことなので、少なくともその備えだけはしておかなければならない。だからこそ日本では現在防衛費の増額が進められているわけだが、実際のところ、日本はどうすれば良いのだろうか?

その備え方について、戦略論の議論においてヒントとなるものを以下で簡潔に述べてみたい。

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地政学・戦略学者/多摩大学客員教授

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