鳩山由紀夫も、安倍昭恵夫人も……中国が工作の手を伸ばす「国家安全部:MSS」の正体
豪で出版「影響力工作」分析本で注目- 奥山真司氏の連載。西側が警戒を強める中国の影響力工作の最新分析を紹介
- 中国の情報機関「国家安全部(MSS)の実態とは?注目の分析本
- 日本への影響力工作ではあの人も標的?執筆した豪州の研究者に聞くと…
広島でG7が開催され、ウクライナのゼレンスキー大統領の飛び込み参加によって、日本の岸田首相は“漢”を上げた感がある。
だがその陰で、日本ではあまり注目されなかった極めて重要な外交イベントが進行していた。アメリカのジェイク・サリバン安全保障担当補佐官が、中国の外交トップである王毅氏とオーストリアのウィーンで会談していたというニュースだ(参考:ブルームバーグ『米大統領補佐官、中国外交トップと会談』)。
これは少なくとも21世紀の国際政治における最大の問題となる米中関係の、最近の関係悪化からの改善に向けた第一歩として、たしかに歓迎すべき動きであろう。
ところがこのような表面的な関係改善はさておき、西側の情報機関における中国に対する警戒感には根強いものがある。
「中国こそが最大の脅威だ」
その一例が、最近オーストラリアで放映された、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドの5カ国によって構成される諜報の取り決め「ファイブアイズ」の担当者たちが、顔出ししながら「中国こそが最大の脅威だ」と語る番組だ。
本稿の筆者は、中国がオーストラリアに対して行っていた影響工作の実態を暴いたクライブ・ハミルトン教授による『目に見えぬ侵略』(原題:Silent Invasion)や、同教授が共著で出した『見えない手』(原題:Hidden Hand)の訳や監訳を担当した経験がある。
したがって、中国共産党が日本を含む諸外国に対して行っているこのような政治面での働きかけ(影響力工作)について興味を持っていたが、そのテーマをさらに掘り下げた、いわば決定版とも言える新著が2022年10月に出ており、かねてからこの本の内容を日本にも広く紹介すべきだと考えていた。
それが『スパイとウソ』(Spies and Lies)という本であり、著者は上述した『目に見えぬ侵略』でハミルトン教授のリサーチ・アシスタントを務め、現在コンサルタント会社のアナリストを務めている、アレックス・ジョスキ(Alex Joske)という人物である。
■
(関連記事)台湾有事で日本が本当に考えなければならない「戦略的態度」とは?
奥山真司さんが翻訳を手がけた新刊「デンジャー・ゾーン 迫る中国との衝突」(飛鳥新社)、好評発売中です。
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