サザエさんをモチーフに考える!「伝わる」とはどういうことか?

尾藤克之「すぐに使える!バズる文章術」#2
2021年06月26日 06:00
コラムニスト/著述家/明治大学客員研究員
  • 文章は起承転結が大切。ただし事実の羅列だけでは読み手の心に残らない
  • ストーリー性が大切。実際に「サザエさん」をモチーフにみてみる
  • 「桃太郎」や「アナと雪の女王」も起承転結でシンプルに整理できる

(編集部より)数々のネットメディアでヒット記事を連発する尾藤克之さん。本連載は、新刊『100万PV連発のコラムニスト直伝「バズる文章」のつくり方』(WAVE出版)でコラムからSNSのフォロワー数増加まで数々の実践テクニックを披露していますが、先週好評だった「ロジカル馬鹿に要注意!」に続き、今回は伝えたいことが「伝わる」文章をつくるコツです。

Blue Planet Studio/iStock

文章術のセミナーや講義をすると、書くことに苦手意識を持っている人が多いことに驚かされます。しかし、これは当然の結果です。日本の学校では文章の書き方を教えていないからです。今回は文章を書く際のヒントについて解説します。

文章の「伝わる」はどういうことか

文章には起承転結が必要だと言います。次の文章をお読みください。

磯野カツオさんには好きな人がいました。大空カオリさんのことですが、なかなか気持ちを伝えられません。運動会でフォークダンスを踊ることになりました。

磯野カツオさんは勇気を出して一緒に踊ろうと声をかけたところ、大空カオリさんはすんなりOK。めでたくペアになれました。卒業まで仲よくすごしました。

起承転結
起:磯野カツオさんには好きな人がいました
承:運動会でフォークダンスを踊ることになりました
転:大空カオリさんはすんなりOK。めでたくペアになれました
結:卒業まで仲よくすごしました

起承転結はこのように分けることができますが、この文章を読んでも読者は何も感じないでしょう。単に情報を羅列しただけでは読者の感情が動かされることもありません。実際、このような記事は多いのですが、ほかに載っているような情報のコピペは最もイヤがられます。なぜなら、読者にとっては時間のムダであり、メリットが見当たりませんから。そこでストーリー性が大切になってくるのです。

次の文章ではいかがでしょうか?

昨日、世間を驚かせたニュースが公表されました。学校のマドンナ的存在で、成績も優秀、みんなの憧れの的だった、大空カオリさんが磯野カツオさんとフォークダンスをペアで踊ることになったのです。

以前から、磯野カツオさんは大空カオリさんに好意を持っていましたが、なかなか気持ちを伝える機会がありませんでした。今回、フォークダンスを踊ることが決まり、磯野カツオさんは、勇気を出して一緒に踊ろうと声をかけました。

すると、大空カオリさんは二つ返事でOK。どうやら、両思いだったようです。その後、2人は卒業まで仲よくすごしました。本日18時から、大空カオリさんが所属する、かもめ第三小学校の校長先生が記者会見を行ないます。

サザエさんをモチーフにしたフィクションですが、あとの記事のほうが確実に読まれてシェアもされると思います。載っている情報に大きな差はありませんが、感情表現を盛り込むことでリアリティーが高くなっているとは思いませんか。

オリジナル=基本の型に肉付け

物語にはすべて起承転結があります。ほかのケースでも確認してみましょう。

桃太郎の起承転結
起:おばあさんが川で拾ってきた桃から桃太郎が生まれた
承:鬼ヶ島の鬼を退治するために仲間を集める。犬、猿、キジが家来になる
転:鬼ヶ島に乗り込み、見事に退治する
結:鬼の財宝を持ち帰り、郷里に凱旋した

アナと雪の女王の起承転結
起:エルサとアナはお姫様の姉妹。姉は魔法を使える
承:魔法がバレてしまい真夏が真冬の気候に変化する
転:エルサがアナを抱き締めるとアナの身体が元に戻り魔法が解ける
結:エルサは二度と城の門を閉ざさないと約束しエンディングを迎える

ここに書いてあるのは、「桃太郎」と「アナと雪の女王」の事例です。起承転結でまとめるとこのように整理できます。非常にシンプルなことがわかります。

すべての物語には起承転結があります。文章も同じで、最初にフレームを作ってしまい、あとから肉付けをしていくと構成がしやすくなります。最初のうちはフレームを作成することに手間取るでしょうが、慣れれば難しくありません。まずは数をこなしましょう。

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コラムニスト/著述家/明治大学客員研究員

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