サザエさんをモチーフに考える!「伝わる」とはどういうことか?
尾藤克之「すぐに使える!バズる文章術」#2- 文章は起承転結が大切。ただし事実の羅列だけでは読み手の心に残らない
- ストーリー性が大切。実際に「サザエさん」をモチーフにみてみる
- 「桃太郎」や「アナと雪の女王」も起承転結でシンプルに整理できる
(編集部より)数々のネットメディアでヒット記事を連発する尾藤克之さん。本連載は、新刊『100万PV連発のコラムニスト直伝「バズる文章」のつくり方』(WAVE出版)でコラムからSNSのフォロワー数増加まで数々の実践テクニックを披露していますが、先週好評だった「ロジカル馬鹿に要注意!」に続き、今回は伝えたいことが「伝わる」文章をつくるコツです。

文章術のセミナーや講義をすると、書くことに苦手意識を持っている人が多いことに驚かされます。しかし、これは当然の結果です。日本の学校では文章の書き方を教えていないからです。今回は文章を書く際のヒントについて解説します。
文章の「伝わる」はどういうことか
文章には起承転結が必要だと言います。次の文章をお読みください。
磯野カツオさんには好きな人がいました。大空カオリさんのことですが、なかなか気持ちを伝えられません。運動会でフォークダンスを踊ることになりました。
磯野カツオさんは勇気を出して一緒に踊ろうと声をかけたところ、大空カオリさんはすんなりOK。めでたくペアになれました。卒業まで仲よくすごしました。 |
〈起承転結〉
起:磯野カツオさんには好きな人がいました
承:運動会でフォークダンスを踊ることになりました
転:大空カオリさんはすんなりOK。めでたくペアになれました
結:卒業まで仲よくすごしました
起承転結はこのように分けることができますが、この文章を読んでも読者は何も感じないでしょう。単に情報を羅列しただけでは読者の感情が動かされることもありません。実際、このような記事は多いのですが、ほかに載っているような情報のコピペは最もイヤがられます。なぜなら、読者にとっては時間のムダであり、メリットが見当たりませんから。そこでストーリー性が大切になってくるのです。
次の文章ではいかがでしょうか?
昨日、世間を驚かせたニュースが公表されました。学校のマドンナ的存在で、成績も優秀、みんなの憧れの的だった、大空カオリさんが磯野カツオさんとフォークダンスをペアで踊ることになったのです。
以前から、磯野カツオさんは大空カオリさんに好意を持っていましたが、なかなか気持ちを伝える機会がありませんでした。今回、フォークダンスを踊ることが決まり、磯野カツオさんは、勇気を出して一緒に踊ろうと声をかけました。 すると、大空カオリさんは二つ返事でOK。どうやら、両思いだったようです。その後、2人は卒業まで仲よくすごしました。本日18時から、大空カオリさんが所属する、かもめ第三小学校の校長先生が記者会見を行ないます。 |
サザエさんをモチーフにしたフィクションですが、あとの記事のほうが確実に読まれてシェアもされると思います。載っている情報に大きな差はありませんが、感情表現を盛り込むことでリアリティーが高くなっているとは思いませんか。
オリジナル=基本の型に肉付け
物語にはすべて起承転結があります。ほかのケースでも確認してみましょう。
〈桃太郎の起承転結〉
起:おばあさんが川で拾ってきた桃から桃太郎が生まれた
承:鬼ヶ島の鬼を退治するために仲間を集める。犬、猿、キジが家来になる
転:鬼ヶ島に乗り込み、見事に退治する
結:鬼の財宝を持ち帰り、郷里に凱旋した
〈アナと雪の女王の起承転結〉
起:エルサとアナはお姫様の姉妹。姉は魔法を使える
承:魔法がバレてしまい真夏が真冬の気候に変化する
転:エルサがアナを抱き締めるとアナの身体が元に戻り魔法が解ける
結:エルサは二度と城の門を閉ざさないと約束しエンディングを迎える
ここに書いてあるのは、「桃太郎」と「アナと雪の女王」の事例です。起承転結でまとめるとこのように整理できます。非常にシンプルなことがわかります。
すべての物語には起承転結があります。文章も同じで、最初にフレームを作ってしまい、あとから肉付けをしていくと構成がしやすくなります。最初のうちはフレームを作成することに手間取るでしょうが、慣れれば難しくありません。まずは数をこなしましょう。
関連記事
編集部おすすめ
ランキング
- 24時間
- 週間
- 月間
“河野太郎を飼い殺す” 岸田首相の目論見(?)は当たるのか
ドイツの脱原発が“詰んで”しまい、日本の反原発勢力や朝日新聞はどうするの?
“岸田が人事を急いだ理由は統一教会ではない” 永田町で出回ったLINE怪文書
ペロシ訪台に猛反発…中国の台湾に対する「強圧的行動」の原理とは?
学校が別居親に子どもを会わせない差別は違法だ!行政を訴えた3人の親たちの思い
テロに踊る「差し障り姫」…安倍元総理銃撃事件を論じる国際政治学者Mセンセイ
河野デジタル相の就任記者会見報道、時事通信が見出しをシレッと変更
甲子園優勝の智弁和歌山・中谷監督、ネットで“携帯電話事件”が話題に
「岸田版 仕事人内閣」!? 保守派は浜田防衛相に発狂、改革派は河野デジタル相歓迎
20年前に殺害された国会議員の資料にネット注目。鳩山氏が「入手」
「岸田版 仕事人内閣」!? 保守派は浜田防衛相に発狂、改革派は河野デジタル相歓迎
“岸田が人事を急いだ理由は統一教会ではない” 永田町で出回ったLINE怪文書
東大vs.東京新聞、コロナ感染学生の「単位不認定」報道めぐり異例のバトル
前川氏に“踊らされる”毎日新聞、「第三の加計疑惑」と化す統一教会報道がなぜ的外れなのか
「#金井米穀店を守れ」がトレンド入り。「騒動の現場」吉祥寺の店舗を訪ねた
東工大と医科歯科大が統合へ?日本の「医工連携」に横たわる大問題とは
テロに踊る「差し障り姫」…安倍元総理銃撃事件を論じる国際政治学者Mセンセイ
「憲法改正は必要なくなった」安倍発言は本当か?田原総一朗氏の取材を検証する
ミツカン父子引き離し事件、「子どもを連れ去った者勝ち」の日本は、子供の権利条約違反だ
“河野太郎を飼い殺す” 岸田首相の目論見(?)は当たるのか
朝日川柳、安倍元首相の国葬“ネタ”にして大炎上
初の量産EVがリコール…トヨタが突きつけられた「ものづくりの死角」
お騒がせ女性市議「転落劇」…写真集、自民議員と離婚、国替え落選…詐欺容疑で逮捕(←NOW)
「#金井米穀店を守れ」がトレンド入り。「騒動の現場」吉祥寺の店舗を訪ねた
東大vs.東京新聞、コロナ感染学生の「単位不認定」報道めぐり異例のバトル
前川氏に“踊らされる”毎日新聞、「第三の加計疑惑」と化す統一教会報道がなぜ的外れなのか
「大喪の礼」三浦瑠麗氏の読み違え、田中康夫氏ら追及。「武士の情けで…」擁護の声も
「最新技術搭載」武豊火力発電所が完成!…でも朝日新聞は気に入らないらしい
参院選比例個人票、東京・港区ではガーシー氏が“トップ当選”で話題に
TKO木本武宏の投資トラブル、業界通「STEPNのバブルは長く続かないと見られていた」