サイバーエージェント絶好調決算!藤田社長の“ウマい”立ち回り指摘も

箕輪厚介氏「生意気税を理解、藤田さんの器量」

サイバーエージェントが29日に発表した第3四半期(3Q)決算の絶好調ぶりがSNSで話題になった。今年に入ってゲーム事業で投入した「ウマ娘 プリティーダービー」が大当たりしたことで3Qとしては前年比70.3%増の1,922億円、営業利益も5.4倍となる445億円をたたきだした。

サイバーエージェント決算資料より

ゲーム事業単体の売上高は前期の639億円から過去ダントツの923億円という驚異的な伸びを示した。「ウマ娘」はスマホ向けを中心としたゲームで、実在する競走馬を美少女に置き換えたキャラクターを描いた育成シミュレーション。2月下旬のリリース開始から約5か月で900万を超えるダウンロードがあったという。

また広告事業も四半期では過去最高となる818億円をマーク。昨年はコロナ禍や緊急宣言など広告需要減の影響はあったが、増収傾向を示したと強調している。AIによる広告クリエイティブ制作や検索連動広告文の自動作成サービスなどが好調のようだ。

一方で、アベマTVの赤字が続くメディア事業は38億円の損失を計上したが、1週間あたりの利用者数が右肩上がりだと強調。ゲーム、広告がメディアの赤字を補って余りある勢いで全体を押し上げた格好で、今年度の業績見通しも売上高は、前年比35.8%増の6,500億円、営業利益は200%近い1,000億円と上方修正した。

藤田晋氏(Dick Thomas Johnson/Wikimedia)

コロナ禍をものともしない絶好調ぶりだが、藤田晋社長の堅実な舵取りを指摘する意見もある。編集者の箕輪厚介氏はツイッターで「サイバーエージェントがエグいぐらい好決算になっているが、イケイケ感をあまり出さないのがさすが。世の中にはけしからん税や生意気税というのがあると誰よりも理解してる藤田さんの器量」と、世相への皮肉も交えた見方を示していた。

たしかに言動が派手なベンチャー経営者は、文春砲をはじめとするメディアの格好のターゲットになり、時には捜査当局にすら標的にされるリスクもあるが、サイバーエージェント創業から23年、藤田氏が史上最年少(当時)の26歳で東証マザーズ上場を果たしてからも21年。この間、週刊誌やワイドショーの関心を集めたのは、有名女優との結婚・離婚で世間を騒がせた10数年前の一時期くらいかもしれない。ほぼ同世代の起業家で宇宙旅行をぶち上げる人もいた中で、藤田氏は本業に専念。ウェブ広告からメディア、ゲームなど拡大してきた事業で着実な成果を出してきた。

 

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